2024年12月09日

シリア アサド政権崩壊で思う

カダフィ大佐280

これは40年以上も前のわたしのビジネスマン時代の話です。

当時のリビアには観光という政策が無かったため、一般のリビア入国は制限されていました。

まずリビア国が発行する招聘状が必要で、日本のリビアを商圏とする商社に入手を依頼しました。

わたしのタスクは、リビア国営空港の安全システムを提案することでした。

成田からイタリア ミラノ空港までJAL、ミラノからリビアのベンガジ空港まで

座席数64席のYS-11に似たリビア航空の小型機でした。

機内でステュワーデスから入国カードが渡され、氏名・入国目的・宿泊ホテル名等を

すべてアラビア語で書くように求められました。

英語でさえ怪しいのに アラビア語はまったくチンプンカンなので パスポートなどを渡して

ステュワーデスに書いてもらい一件落着となりました。

ベンガジ空港に着き、タラップを降りると東洋人はわたし一人なので見分けがついたのか

名前を呼ばれ付いていくと、飛行機に横付けされたジープに乗せられてベンガジ港に面した

国営ホテルに連れていかれました。

VIP扱いなのか空港の入国審査はなく、飛行機からホテル直行でした
(写真:カダフィ大佐)

ホテルに着き受付でパスポートを見せ部屋が予約してある旨を言うと

御免なさい!あなたの部屋は予約されておらず無い」と のたまうではないか!

話に聞いていたので受付の人は、何か小物の土産を欲しがっていると直感し、

あらかじめ用意していた普通の万年筆を「どうぞ!」と手渡しました。

万年筆を手に取り「これはシェーファーでは無いな」と高級品ではないと小声でささやきながらも

オー!ここにあなたの名前があった。宿泊はOK」と言うではないか。

ことごとく このようなやり取りの連続でした。


極端な話、昼はリビア軍高官の事務所で金額を含む打ち合わせを行い、

夜はわたしたちビジネスのリビア事務所にいると 昼間の相手高官が部下を引き連れて現れ、

ビジネスが成功した場合のコミッションはスイスにある高官の口座に振り込んで欲しいという話までありました。


カダフィ大佐のお兄さんにも面会して、商談もしました。

まだまだリビアでのビジネスは 面白いことの連続で 良い経験をしました。


これはカダフィ大佐が現役時代(崩壊する前)の話です。


(下の写真)中央の建物が宿泊したホテル

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