2017年08月19日

『風蝉』(ふうぜん)とは?

burin風蝉』(ふうぜん)という言葉をご存知ですか?

 暦の上で立秋を過ぎた今頃、秋風に吹かれて聞こえる蝉(せみ)の声のことを言います。


管理人が今のはるひ野1丁目にある「宮添みのり公園」のところにあった生家で、
小学生の頃風が吹き抜ける藁ぶき屋根の座敷で昼寝をするのが習慣でした。

その頃は蝉の声に慣れているとは言え、絶え間なくジージー蝉の声が聞こえていました。

蜘蛛の糸で作った蝉を捕まえる自作道具で、あっという間に虫かご一杯の蝉を捕まえることができました。

陽が沈みサラーと夜風が吹き始めるころは、蜩(ヒグラシ)ゼミの合唱が聞こえたものです。

ところが今は、残念ながら蝉の合唱を聞くことがなくなりました。
蝉時雨(せみしぐれ)と言う言葉は、既に死語になっています。

今年に入っても ミンミンゼミもオーシンツクツクと鳴く つくつく法師の声も聞いたことがありません。


『風蝉』(ふうぜん)

----------秋風に吹かれて聞こえる蝉(せみ)の声----------

 

 風の蝉……。 

 といっても、この場合の「」は、秋風。 

 そして、「」は、蝉の声のことです。

 旧暦では、立秋を過ぎると、秋。

 

 Semi[1]しばらくは、まだ、さまざまな種類の蝉の声が

 聞かれることでしょう。 

 熊蝉(くまぜみ)、油蝉(あぶらぜみ)、みんみん蝉……。 

 場所によっては、蜩(ひぐらし)も鳴いているでしょうし、

 つくつく法師の声も、混ざる頃です。

 夏の暑さをかきたてるように聞こえた声さえ、

 秋風に運ばれてくると、違った感慨を覚えるものですね。

 残り少ない命の限り、精一杯鳴いているのだということにも、

 思い至ります。

 無事、子孫は残せたのでしょうか。 

 土の中で、長い幼虫時代を過ごす蝉たち。

 地上に出てくるのは、67年後だとか。

 その時、目にする景色が、美しい緑と青い空に包まれた

 懐かしい日本の夏でありますように……。

-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-

 

 引用:発行者:夢子 こと 山下 景子

     『センスを磨き、幸せを呼ぶ〜夢の言の葉〜』(週刊)