埼玉県狭山市のマンションで昨年1月、藤本羽月(はづき)ちゃん=当時(3)=が顔にやけどを負って死亡しているのが見つかった事件で、
保護責任者遺棄致死や傷害などの罪に問われた無職、大河原優樹被告(26)の裁判員裁判の初公判が11日、さいたま地裁(高山光明裁判長)で開かれた。
大河原被告が内縁の妻だった藤本彩香被告(24)=保護責任者遺棄致死罪などで起訴=とともに、羽月ちゃんの手をネクタイで縛ることを「手」、
口に布巾を詰めてテープでふさぐことを「口」、首を鎖につなぐことを「首」と称し、無料通話アプリ「LINE(ライン)」上でやり取りしていた実態が明かされた。
「風呂場から『ギャー』という声が聞こえた」
この日行われた証人尋問で、藤本被告は「首」については「私と彼(大河原被告)がやりました」と答えたが、それ以外については「彼がやりました」と答え、
実行犯が大河原被告だったと示唆した。
羽月ちゃんのやけどについても「『ギャー』という声が聞こえて、風呂場に向かったら羽月がやけどしていた」と答え、
「やけどを負わせたのは藤本彩香だ」と話した大河原被告の罪状認否の内容と食い違いを見せた。
当初、事情聴取では「鍋の湯を誤ってかけた」と話していた藤本被告。
その理由について「彼のことが好きだったので守らなければならないと思った」と説明した。
虐待行為に及んだ動機については、平成27年9月ごろ、羽月ちゃんが大声で泣いたり、冷蔵庫を勝手に開けたりしたことを注意しても直らなかった経緯を説明。
「言葉で怒っても聞いてくれなくて彼が羽月の手を縛ったのが始まり」とした。
ネクタイで手を縛られうつぶせに
藤本被告は、残酷な虐待行為が行われた経緯についても語った。
「手」については徐々にエスカレートし、ネクタイを用いて背中側で縛るようになった。
検察側証拠では、手を縛られた羽月ちゃんが畳の上でうつぶせになっている写真も法廷に提出されている。
「口」については、羽月ちゃんが泣いたりだだをこねたりするのを「うるさい」と感じていたことから、羽月ちゃんが泣いたり騒いだりした際に行われるようになった。
「首」については、羽月ちゃんが騒いで眠れなかった夜に藤本被告が「犬みたいにつないじゃえばいいじゃん」と言ったことがきっかけで、大河原被告が鎖などを用意したという。
ゴミ箱あさる姿をLINEで報告
11日行われた証拠調べでは、大河原被告と藤本被告のLINEのやりとりで、やけどした羽月ちゃんの画像を送信する際に
「はづの顔まぢゃばいw」と送り、大河原被告が「ん?W」と返信するなど「笑」を意味する「w」や「W」を多用していたことも明かされた。
3歳5カ月で亡くなった羽月ちゃんの司法解剖時の体重が9・7キロで、同時期の平均体重約14キロを大きく下回っていることも明かされた。
羽月ちゃんが十分に食事を与えられず、ゴミ箱をあさって食べ物を探していたことなどを藤本被告が大河原被告にLINEで報告している様子も説明された。
冒頭陳述などによると、大河原被告は昨年1月2日夕、自宅浴室で羽月ちゃんの後頭部を手で押さえつけ、顔に高温のシャワーをかけ3週間のやけどを負わせた。
その後、藤本被告と共謀して治療を受けさせず放置した上、同8日夜、浴室で全裸の羽月ちゃんに冷水をかけ同9日未明まで放置し、敗血症で死亡させたなどとしている。
<5月12日 サンケイデジタル版記事>
埼玉3歳女児死亡 「食事を週5回抜いた」「胸倉つかんで風呂場へ」
2017.5.12
埼玉県狭山市のマンションで昨年1月、藤本羽月(はづき)ちゃん=当時(3)=が顔にやけどを負って死亡しているのが見つかった事件で、
保護責任者遺棄致死や傷害などの罪に問われた無職、大河原優樹被告(26)の裁判員裁判の公判が12日、さいたま地裁(高山光明裁判長)で開かれた。
公判では、大河原被告が「食事を週5回抜いた」などと羽月ちゃんへの虐待の様子を明らかにした。やけどを負わせた後、
大河原被告の内縁の妻で羽月ちゃんの母親だった藤本彩香被告(24)=保護責任者遺棄致死罪などで起訴=が「(病院に)連れてったら虐待してることバレるじゃん」などと話し、
犯行を隠蔽しようとしていたやりとりもつまびらかにされた。
■エスカレートした“食事制限”
被告人質問では、弁護側の質問に対し、大河原被告が羽月ちゃんの“食事制限”について「子供用のお茶碗で半分。おかずも少なくした」と答えた。
藤本被告が以前から食事制限をしていたが、一昨年9月ごろから「これからもっと減らす」「言うこと聞かないと減らす」と言い出したという。
食事を抜くこともあり、初めは週2回抜いていたが、エスカレートし、「多いときで5回」になった。羽月ちゃんの死因は、栄養失調による免疫力低下だった。
■「3才 60℃ ヤケド」
弁護側は続いて、羽月ちゃんにやけどを負わせた昨年1月2日の傷害罪の犯行の様子を質問した。
大河原被告の証言では、自宅内で姉とぶつかって泣いていた羽月ちゃんに、藤本被告が「いい加減にしろよ」と言って胸倉を捕んで風呂場へ引きずっていった。
その後、「羽月が叫んでる声が聞こえた」と大河原被告。
3分後、藤本被告が1人で戻ってきて、スマートフォンをいじっていたという。
検察側によると、藤本被告のスマホの検索履歴には「3才 60℃ ヤケド」という文字が残されていた。
大河原被告は法廷で当時のやりとりを再現した。
大河原被告「なにしたん?」
藤本被告「え?」
大河原被告「ヤケドしてるけど」
藤本被告「ああ、うん、そうかも、お湯かけたから」
この後、羽月ちゃんには「水を掛けて冷やして風呂場から出して軟膏を塗って包帯を巻いた」(大河原被告)という。
大河原被告「病院連れてったほうが良くない?」
藤本被告「連れてったら虐待してることバレるじゃん」
大河原被告「いや皮むけてるし見せた方がいいんじゃないの?」
結局、2人は羽月ちゃんを病院に連れて行かなかった。
■「何をしても、もうハヅは戻ってこない」
弁護側は「最後にこのような事件を起こしてしまったことについてどう思うか」と質問。
大河原被告は「自分が何をしても、もうハヅ(羽月ちゃん)は戻ってこない。
今さら何をしても許されることではない。羽月に申し訳ない気持ちでいっぱいです」と答えた。
冒頭陳述などによると、大河原被告は昨年1月2日夕、自宅浴室で羽月ちゃんの後頭部を手で押さえつけ、顔に高温のシャワーをかけ3週間のやけどを負わせた。
その後、藤本被告と共謀して治療を受けさせず放置した上、同8日夜、浴室で全裸の羽月ちゃんに冷水をかけ同9日未明まで放置し、敗血症で死亡させたなどとしている。
<裁判員裁判の判決直前のサンケイデジタル版記事>
埼玉3歳女児死亡 内縁夫、きょう判決 「“口”も“手”も嫌だったよね」 論告前に反省示した羽月ちゃんへの手紙
産経新聞5/25(木) 12:16
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埼玉県狭山市のマンションで昨年1月、藤本羽月ちゃん=当時(3)=が顔にやけどを負って死亡しているのが見つかった事件で、
保護責任者遺棄致死や傷害などの罪に問われた無職、大河原優樹被告(26)の裁判員裁判の判決が25日午後3時から、さいたま地裁(高山光明裁判長)で開かれる。
検察側は「犯行態様が無慈悲かつ卑劣で極めて悪質」と懲役13年を求刑している。
■羽月ちゃんへの手紙 「どれだけ後悔しても謝ってもはづは帰って来ない」
これまでの公判で、大河原被告の内縁の妻で羽月ちゃんの母親だった藤本彩香被告(24)=保護責任者遺棄致死などの罪で起訴=らの証人尋問が行われた。
17日の論告求刑公判では、大河原被告が1月に拘置所で書いた手紙の内容が弁護側から明かされた。主な内容は以下の通り。
羽月へ
はづ(羽月ちゃん)がいってもう1年になりました。
本当だったら去年の8月でもう4歳。今年で5歳だった。
ゆう(大河原被告)とママのせいで迎えることができませんでした。
初めて会ったときはすぐになついてくれたね。
初めて泣いている羽月をあやしていたら2人して(藤本被告に)怒られたね。
羽月の怒り方のことで何度もけんかしたね。
怒られたり、“口”も“手”も嫌だったよね。水掛けられて冷たかったよね。やけどだって痛かったよね。
せめてやけどした時ちゃんと病院に連れて行っていれば。
どれだけ後悔しても謝ってもはづは帰って来ません。
天国で幸せになれるよう祈っています。
弁護側は同日、手紙などから、大河原被告が反省しているとして情状酌量を求めた。
一方、検察側は「全体として藤本(被告)に罪をなすりつけるための弁解に終始している」と反省の情に乏しいことを指摘した。
大河原被告は公判で羽月ちゃんにやけどを負わせた傷害について否認しており、弁護側は一連の虐待行為について藤本被告が主導だったと主張している。
■初公判で内縁の妻出廷 互いに罪をなすりつけ合う
11日に開かれた初公判では、法廷に姿を現した藤本被告は犯行当時、大河原被告との間の子供を妊娠しており、育児ストレスと相まって虐待を行っていたと話した。
大河原被告が否認した傷害罪や虐待の多くについて「彼(大河原被告)がやりました」と主張し、大河原被告の弁護側の主張と食い違っていた。
大河原被告と藤本被告が無料通話アプリ「LINE(ライン)」で、やけどした羽月ちゃんの画像を送信する際に「はづの顔まぢゃばいw」と送り、
大河原被告が「ん?W」と返信するなど「笑」を意味する「w」や「W」を多用していたことも明かされた。
他にも食事を抜かれた羽月ちゃんが冷蔵庫を開けたり、ぐずったりする様子を藤本被告から報告される度に「帰ったら口だな」などと虐待を暗示するような返信をするやり取りもあった。
「口」とは口に布巾を詰めてテープでふさぐことで、他にも手をネクタイで縛ることを「手」、首を鎖につなぐことを「首」と称していたことがLINE上のやり取りなどから明らかになり、
虐待が常態化している様子が垣間見られた。
藤本被告の裁判員裁判の初公判は29日に同地裁で開かれる。
<裁判員裁判の判決後のサンケイデジタル版記事>
産経新聞 5/25(木) 16:06配信
埼玉県狭山市のマンションで昨年1月、藤本羽月(はづき)ちゃん=当時(3)=が顔にやけどを負って死亡しているのが見つかった事件で、
保護責任者遺棄致死や傷害などの罪に問われた無職、大河原優樹被告(26)の裁判員裁判判決公判が25日、さいたま地裁で開かれた。
高山光明裁判長は保護責任者遺棄致死などについて懲役12年6月(求刑同13年)を言い渡した。
傷害罪については無罪とした。
論告などによると、大河原被告は昨年1月2日、自宅浴室で羽月ちゃんの顔に高温のシャワーをかけ3週間のやけどを負わせた上、
共謀して同8日、浴室で全裸の羽月ちゃんに冷水をかけて放置し死亡させたとしている。
やまざる
川崎市黒川(当時の住所表示)の農家に生れる。
来世も菩提寺である黒川の西光寺で、永遠の眠りにつく。
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