2014年09月12日

「寒蝉(かんせん)」

セミイラストのコピー
             寒 蝉』(かんせん)

--------------夏から秋にかけて鳴く蝉のこと--------------

七十二候では、「寒蝉」と書いて、「ひぐらし」と読ませていますが、「つくつくぼうし」のことをさす場合もあります。 
どちらかというと、ひぐらしの方が、早く鳴き始め、秋を告げるように鳴くのは、つくつくぼうしの方。

が、ひぐらしの声は、「カナカナカナ……」と、いかにも涼しげで、秋らしく聞こえるからでしょう。

とはいえ、つくつくぼうしも、その独特な鳴き声とともに、親しまれてきました。


「つくづく惜し」「つくづく憂(う)し」「筑紫(つくし)恋し」……。

「美し佳(よ)し」と聞きなされたことから、「美し」という異名も持っています。

昔の「美し」は、どちらかというと、「かわいい」とか「いとおしい」に近い感情。

「かわいいね、すてきだね……」

蝉の鳴き声は、ラブコールですから、蝉語を訳したら、本当に、こう言っているのかもしれませんね。

寒蝉、枯木(こぼく)を抱(いだ)く」……。

その場を動こうとしないたとえです。

秋の蝉は、枯れ木にしがみついて、鳴き死にするまで、動かないからだとか。

限られた時を惜しむように鳴く蝉……。

だからこそ、今いる場所で、ベストを尽くそうと思っているのでしょうね。

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 発行者:夢子 こと 山下 景子

 『センスを磨き、幸せを呼ぶ〜夢の言の葉〜』(週刊)