2012年12月04日

さようなら!400年桜

花見7黒川・鷹巣(たかのす)の市川宅庭先にあった400年山桜が台風の強風により根こそぎ倒れた。

もともと私有地にある桜の木であり、管理も市川さんが個人的に行っていた桜の木である。

あえて役所の銘木指定は受けずに個人で管理してきた古木の山桜であったが、近年の衰えにより太い枝の枯れが目立ち、落下する恐れがあった。

あえてマスコミの取材も受けずにひっそりと山里・鷹巣で咲く山桜は、昔からの地元の人達に春の華やかさを見せていた。


しかし、人づてに聞いて見物に訪れる人が年を追うごとに増えてきたなかで、山桜の枝落下などが原因の事故が心配されていた。

また観光地ではないため休憩場所やトイレの設備もなく、近所の農地への立ち入りも心配されていたので、市川さんにとっては先祖伝来の桜ではあったが、一面でホッとしているのではないかと思う。


市川宅の山桜切倒し241124_edited-1




山桜の看板の背後には、木がない。
むき出しになった桜の根っこと作業員。
 (撮影:平成24年11月24日





昔から山桜を管理して、今年の春まで地元の人たちにその美しさを見せていただいた市川さんに感謝したい!

この世は無常であると仏教は説く。
宇宙に存在するすべての物は、時々刻々と変化をしており一時も同じ状態を保たない。

空の星もしかり、国もしかり、自然もしかり、人の命や心もしかり。

誕生し消えていく事象の中で、山桜もその使命を終えたのだ。

栄枯衰退をたどる命の中で衰えた姿を見せずに、潔く消えていった400年桜に『あっぱれ!』と称賛したい。

  (本件に関して市川氏とは接触をしておらず、管理人個人の意見であることをお断りする。)

見事に咲き誇っていた市川さんの400年山桜
     (撮影:平成24年4月14日、管理人撮影)

 

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川崎市立栗木台小学校の地域読本「ふるさとへ」の表紙を飾った400年山桜
 (この本は同校の創立20周年を記念して平成14年11月8日に発行されたもので、写真は故立川幸夫氏が撮影)

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Posted by tomato1111 at 00:05