2012年09月10日

プライシング(値付け)の面白さ・難しさ

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管理人のわたしはレサモスが開業してからこのかた、4年間にわたりルーベリー荷している。

セレサモスでは、出荷する農産物の販売値段は生産者が決めなければならない。

農産物が売れる商品になるまでは、農家が1年間をかけていろいろな生産活動をしなければならない。


工業生産物の生産原価は、作業時間に基づく労働費、材料費(農業では肥料代、農薬代、種苗代等)、歩留まりコストなどを厳密に積み上げられ、それに諸経費、粗利益などを基準にして、販売価格が決められるが農産物は、あいまいなのだ。

また工業生産物は市場動向を踏まえて、在庫にしておき販売状況を見て出荷調整ができるが、農業生産物は基本的に保存・在庫が利かない。


ラビットアイ01
生産した農産物は、旬の新鮮なうちに売り切ってしまわなければならない。

ぐうたら百姓を標榜するわたしが生産し、セレサモスへ出荷しているブルーベリーも、商品価値のある旬のうちに売り切ってしまわなければならずその値付けが悩ましい。

工業製品のように原価を積み上げて、販売価格を決めて消費者がそれを受け入れてもらえば良いがそうもいかず、値付けにはいつも悩んでしまう。

わたしが消費者として購入する場合を考えると、良い商品が最も安い価格で売られているのを歓迎する気持ちがあり、自分が買いたい価格にしたいと基本的には思っている。


銀座の高級果物店である千疋屋総本店で堂々と売ることができるような商品は、堂々と高価格で販売することできる。

毎日1000人から1500人の来店客があるセレサモスの顧客層も千差万別であり、高くても品質の良い商品を求める人が、必ずいるのだ。

一方、量があり価格も経済的な商品を求める消費者もいる。


ブルーベリーを例に考えると、セレサモスの顧客は生の新鮮な地元産ブルーベリーの味を知った人が多くなってきた。

数年前はお試し版のような少量パッキングで比較的高い価格設定の商品がよく売れたが、今はあまり売れなくなってきた。


今は経済的な価格で量の多いパッキングの商品がよく売れる。

ブルーベリーを日常的な果物として家族全員でその味を楽しむ人が増えてきているものと考えることができる。

地元で生産された新鮮なルーベリーを使って、自宅でジャムを作る方も増えてきており、小粒なルーベリーであっても量が多く安い商品は飛ぶように売れている。

目に良いとされるアントシアニンは、皮の部分に多く含まれており、小粒なほうがその目的に合っている。


セレサモスブルーベリーを出荷する農家も最近は増えてきており、最盛期には山ほどの商品が棚に並ぶ。

生産者がつけた価格と商品の品質を見比べて、消費者は購入している。

適切な価格設定をすれば売れ残ることはないが、欲を出して極端な高値を付けるとその商品は売れ残り、引き取って処分をせざるをえなくなる。


今年になって言えることは、生産者が増えて出荷量が増えたこともあると思うが、一般的に価格が昨年と比べておおむね3割は安い価格でないと販売が難しくなってきている。

さー、今日も他の生産者の出荷量・品質・曜日などを考慮に入れて、自分としての生活資金となるブルーベリーの売上金が最大になるような価格設定をして販売状況を見守りたい。

適正な値付けをして生産者であるわたしとセレサモスを運営しているJAセレサ川崎が共存しハッピーになるように運営していきたいと考える.


Posted by tomato1111 at 00:05