2011年05月08日

市民劇「枡形城・落日の舞い」…アルテリッカしんゆり2011

枡形城1
生田緑地にあって桜の名所でもある枡形山(ますかたやま)。

かってそこに居城を構えていたとされる稲毛三郎重成と妻綾子らの悲劇を、公募した出演者やスタッフが作り上げた川崎郷土・市民劇「枡形城・落日の舞いは、感動的な芝居であった。
一日たっても舞台の感動は消えることがなく久しぶりに良い舞台を鑑賞したと興奮が冷めやらない。

舞台設定は、室町時代の興福寺境内で旅の僧が稲毛三郎の死を悼むために琵琶を弾きながら稲毛氏の待女頭であった老女からの口伝を聞くところから始まる。


川崎市民・多摩麻生の方々には、わたし達の郷土にはこのように住民から慕われた領主がいたという伝承されるドラマを知っていただくためにもぜひ見ていただきたいと思う。


桝形山広場展望台


昨年の暮れにわたしはこの市民劇の作者小川信夫氏の「市民劇ができるまで」(枡形城・落日の舞い)というテーマの講義を受講していたので、上演を楽しみにしていた。


吾妻鏡やその他の伝承を忠実に調べ上げ、歴史に出てこない部分を劇作家小川氏は素晴らしい作品に仕上げた。

配布されたパンフレットによれば「歴史の闇に潜む、愛と不条理に挑戦」の中で、小川氏は稲毛三郎重成の従兄弟だった秩父の畠山重忠を「謀反の儀あり」と鎌倉幕府に偽りの讒言(ざんげん)をしたとされる伝承を如何にドラマに仕立てるのに苦心したかと苦心したと述べている。
ヒントはシェークスピアの「オセロ」から得たと書かれておりその発想に驚いた。


綾子の舞で舞台が始まり、その舞いと綾子が舞いに使っていた扇子がストーリー進行のカギを握り、そして舞で幕が閉じるという印象的かつ憎いステージ構成は、印象的でさえある。

ごてごてした舞台でなく、単調でシンプルな舞台に効果的な照明と効果音がよく、何よりも役者の明確なセリフと発声が進行の理解を深めてくれた。

演出がベテランというのは失礼であるが ふじた あさや氏の演出家としての力量がよく出ているのだと思う。
    (写真:桜の桝形城あとの公園)


稲毛重成
劇の中では稲毛三郎が妻 綾子が北條時政から嫁入りするときの嫁入り行列に歌われた祝い唄「これさま」が唄われ、また綾子の死を悼んで三郎が建てた菅 薬師堂に奉納された獅子舞「菅の獅子舞が舞いという具合に、郷土芸能も織り込まれた素晴らしい舞台に仕上がっている。


また多摩区の特産である『のらぼう菜』が、北條家から嫁入りするときに綾子が持参したものとして作品で扱われていた。今から830年以上も前の話。


川崎市にゆかりのある歴史上の人物を描いた市民劇の次回の企画・公演を楽しみにしている。

今後の上演は、8日(日)午後2時から多摩市民館、20日(金)夜6時半からと21日(土)午後2時から共に川崎区にある教育文化会館で行われるので、是非、鑑賞されることをお勧めします。


あらすじ 場割







































家系図_edited-1


Posted by tomato1111 at 00:03