
BSハイビジョンで、歌劇「リゴレット」を鑑賞した。
「リゴレット」は、今までに数回鑑賞したことがあるが、今回は主演のリゴレット役に、世界3大テノール歌手(今は亡きイタリアのルチアーノ・パヴァロッティ、スペイン出身のホセ・カレーラスとプラシド・ドミンゴ)の一人でわたしが最も関心を持っている名オペラ歌手「プラシド・ドミンゴ」が出演していること。
また歌劇場という狭い舞台で演じる歌劇ではなく、イタリア マントヴァ近辺での実在する土地・建物を使ったライブ・フィルムという点もある。
そして録画が昨年の9月という最新の歌劇だったからだ。
(プラシド・ドミンゴ(Plácido Domingo)は、1941年スペイン生まれの世界的に著名なテノール歌手で1月21日が誕生日なので満69歳。指揮者、歌劇場芸術監督としても活動している。)
歌劇 リゴレット ライヴ・フィルム・プロジェクト2010
『リゴレット・イン・マントヴァ』 (イタリア・2010年9月4日・5日)
作曲=ジュゼッペ・ヴェルディ
指揮=ズービン・メータ
監督=マルコ・ベロッキオ
<出演>
リゴレット……プラシド・ドミンゴ
ジルダ……ユーリア・ノヴィコヴァ
マントヴァ公爵……ヴィットリオ・グリゴーロ
マッダレーナ……ニーノ・スルグラジェ
スパラフチレ……ルッジェーロ・ライモンディ
ジョヴァンナ……カテリーナ・ディ・トンノ
モンテローネ伯爵……ジャンフランコ・モントレゾール
マルーロ……ジョルジョ・カオドゥーロ
ボルサ……レオナルド・コルテルラッツィ
チェプラーノ伯爵……ジョルジョ・ガッティ
チェプラーノ伯爵夫人……カッサンドラ・ディモプル
公爵夫人の小姓……マリアム・バッティステルリ
イタリア国立放送交響楽団
ソリスティ・カントーリ合唱団
<収録>
第1幕 2010年9月4日
第1場 パラッツォ・テ 巨人の間・カヴァルリの間
第2場 ヴォルト・スクーロ小路 パラッツォ・テ 秘密の花園
第2幕 2010年9月5日 パラッツォ・ドゥカーレ
第3幕 2010年9月5日 スパラフチレのとりで
<ビビエーナ学術劇場(マントヴァ)でフィルム・ライヴ中継>
この「リゴレット」は、最近鑑賞した歌劇の中では最高に素晴らしくかつ陶酔させられ、シーンから目を離すことができなかった。

リゴレット役のプラシド・ドミンゴというオペラ歌手は、格が違う素晴らしさを感じる。
風格が違うのだ。
まずルックスがよい。
演技力と独特の醸し出す雰囲気が素晴らしい。
69歳になっても2時間以上にも及ぶストーリーを、聞かせるテノールで歌い上げるのだから恐れ入る。
わたしなどは学芸会でのわずかなセリフでさえ、覚えきれないのに、ヴェルディの作曲した曲に乗せて、歌い上げるのだから見上げたものだ。

リゴレットの娘ジルダ役のユーリア・ノヴィコヴァも、清純な表情・しぐさで美しいソプラノを聞かせた。
彼女の舞台は、今回のリゴレットで初めて見た。
世界のイタリアの歌劇界には、さすがに人材が豊富だということを思い知らされた。



ジルダを誘惑しとりこにした浮気者のマントヴァ公爵を演じたヴィットリオ・グリゴーロも歌劇の中では、適役ではまっていた。マスクも声もよい。
ヴィットリオ・グリゴーロが第3幕で歌う「女心の歌」(女はよく気が変わる、風に踊る羽のようなもの・・・)は、心地よく聞けた。
あちこちで耳にするこのメロディが、ヴェルディ作曲の歌劇「リゴレット」の中にあるということを再認識させられた。
ちなみにイタリアでの「リゴレット」初演の当日に、ヴェネツィア中に、このメロディが広まったといわれるほどで、日本でも浅草オペラ華やかなりしころは、出前持ちでさえ愛唱したヒット曲だったと本にあった。

スパラフチレ(刺客):ルッジェーロ・ライモンディ
また指揮者がベテランのズービン・メータ。
昨年のNHK音楽祭2010での指揮者であり、ウイーンフィルニューイヤーコンサート2007の指揮者でもある。
今回の歌劇では、撮影が屋外ということで歌劇場ではないので、ズービン・メータの指揮を見る機会がなかったのが残念だった。
マダム・バタフライ(蝶々夫人)や夕鶴のような日本を題材にした歌劇や日本人が作曲した歌劇なら、歌手は日本人が適役だと思う。
イタリア・ドイツ・オーストリア生まれの歌劇、その歌手は、やはり外人がピッタリで歌唱力もあり、演技も自然で見ていて安心できると同時に迫力がある。
(写真:すべてテレビ画面を撮影)
(参考: 鑑賞した歌劇とその関連リスト)
Posted by tomato1111 at 00:05│
歌劇を鑑賞して