2010年09月14日

楽劇「ワルキューレ」(バイロイト音楽祭2010)

愛

NHKハイビジョン放送 プレミアムシアターの特集(8月21日())で「バイロイト音楽祭2010」での楽劇「ワルキューレ」(ワーグナー)がテレビ生放送という世界初の試みがあった。

放送時間は夜の10時50分から翌朝5時10分までの、6時間20分という長丁場で、サッカー・ワールドカップ中継の深夜放送の比ではない。


タイトル12501876年に作曲家ワーグナーが自作のオペラの理想的上演のために創設した、「バイロイト音楽祭」。
ドイツのバイエルン州北部の小都市バイロイトで毎年78月に開催されるこの音楽祭では、フルトヴェングラー、トスカニーニ、カラヤンといった音楽史にその名を刻む当代一流の指揮者と歌手たちによってワーグナー作品のみが上演されてきた。

世界で最もチケットの取りにくい音楽祭として知られ、旅行ガイドなどによると入手は予約から1020年待ちともいわれる。

これまで、ラジオ生放送や映像のネット配信は行われてきたが、NHKでは20108月「プレミアムシアター」で、このバイロイト音楽祭の世界初となるテレビ生放送を実現させる。

演目はワーグナーの楽劇の中でも、屈指の人気を誇る「ニーベルングの指環」の第1夜にあたる楽劇「ワルキューレ」である。

話題のタンクレート・ドルストの演出、クリスティアン・ティーレマンの指揮と豪華歌手陣による、「驚くほどの完成度」と評される奇跡の舞台を放送時間を延長してたっぷりと生放送でお楽しみいただく。

  (上記の文章は、NHKがインターネットで紹介したものを引用)

ワーグナー肖像画250【出演】
  (ジークムント) ヨハン・ボータ
  (フンディング) ヨン・クワンチュル
  (ウォータン) アルベルト・ドーメン
  (ジークリンデ) エディット・ハラー
  (ブリュンヒルデ) リンダ・ワトソン
  (フリッカ) 藤村実穂子
        ほか
【演奏】管弦楽:バイロイト祝祭管弦楽団
【指揮】クリスティアン・ティーレマン
【装置】フランク・フィリップ・シュロスマン
【演出】タンクレート・ドルスト
     収録:2010821日(土)
     バイロイト祝祭劇場(ドイツ)


アルベルト・ドーメン250リヒャルト・ワーグナーは、ドイツが生んだ偉大な歌劇作曲者。

取り上げる作品は、素人の私には難解なものが多く、ドイツ人らしく理屈っぽいので取り付きにくい感がある。

チャラチャラした男女の色恋物語なら、蓮っ葉に構えワインでも飲みながら鑑賞することができるが、ワーグナーの作品はそうはいかない。


今回の作品は、ワーグナーが着想から26年を要して完成された歌劇『ニーベルングの指輪(序夜「ラインの黄金」と三夜 第一夜「ワルキューレ」、第二夜「ジークフリート」、第三夜「神々の黄昏」からなり、四晩連続上演して、総上演時間は16時間にも及ぶ超長編歌劇)の第一夜「ワルキューレ」のみの上演。


 

バイロイト祝祭劇場250しかも劇場のバイロイト祝祭劇場リヒャルト・ワーグナーが、自身の作品の上演を目的として計画、設計し、バイエルン王ルートヴィヒ2の後援を得て1872年に着工、1876に完成したいわくつきの劇場。

ドイツイロイトにある木造のオペラハウスで最初に上演された作品は『ニーベルングの指環』であった。

 

世界で最もチケットが入りにくいワーグナーが作った劇場での、ワーグナーの作品が、リアルタイムで日本の自室で鑑賞できるという希少な機会。

 

それにしてもボンクラのわたしは今回の6時間20分にも及ぶ生放送(実歌劇上演時間は4時間だが、現地での休憩時間も含めて中継しているので6時間にも及ぶ)には集中力が続かず、ワーグナーの言わんとする世界観を理解するなんて言うことはできなかった。

歌劇ワルキューレの使用言葉であるドイツ語の理解力が無いというのが決定的な理由。


藤村美穂子250 

ただ今回の作品の中に、日本人女性のメゾソプラノ歌手 藤村美穂子さんがフリッカ役(神々の妻)で登場し、威風堂々とドイツ語でステージを勤めていたのは印象的だった。

彼女の活動拠点は欧州にあり、メゾソプラノ歌手とりわけワーグナーの作品での実力は高く評価されているとのこと。

 

何時か時間が取れたら、あるいは意識的に時間のやりくりをし、精神的に安定している時を見計らって、この作品をじっくりと鑑賞したいと考えている。

尚、この作品は2008年3月に、ニューヨーク・メトロポリタン劇場でのライブ盤を鑑賞したことがある。
    (写真はすべてTV画面をコンパクトデジカメで撮影したもの)

    (参考:鑑賞した歌劇とそのリスト