2010年07月16日

通俗的な歌劇タイトル…モーツアルト

モーツァルト画
かわさき市民アカデミー」の講座「
モーツァルト オペラの楽しみ」を週に一回のペースで受講している。
講師は日本のモーツァルト研究の第一人者である
海老澤 敏先生

前々回の講義は「ドン・ジョバンニ」、前回は「コシ・ファン・トゥッテ」というモーツアルトの人柄を示す興味深い・通俗的な内容の歌劇について学習した。


ドン・ジョヴァンニ」は、女たらしの代名詞ドン・ファンのイタリア語読み。

次々に女性を口説いていく無類の女たらしが、最後には地獄に落ちるというストーリー。

口説いた女性の国籍・氏名等を従者に記録させていて、2000名以上の口説きを実践したと誇り高く歌う「カタログの歌」は、羨ましいというかあっけにとられてしまう。

(歌劇の中では、スペインの女性1003人、イタリアの女性640人、ドイツの女性231人、フランスの女性100人、トルコの女性91人と紹介され、国籍、氏名、容貌等をこと細かく記録してある。女性であれば国籍、年齢、身分、姿は関係なく、寂しい女性を慰めることに使命感を持って対応していて、決してだましたり浮気をしているとの認識はない。)
鑑賞した作品は、ニューヨーク・メトロポリタン劇場で上演されたイタリア語版で、解説テロップは英語というもの。
全神経を集中してスクリーンに映し出されるイタリア語の歌詞を英語に翻訳した文章を読み解こうと、脳味噌はフル回転した。
時折、海老澤先生の日本語の解説が入るので、頭の中はイタリア語の歌詞、英語のテロップ、海老澤先生の日本語がまじりあい混乱したが、楽しい時を過ごした。

 

コジ・ファン・トゥッテ

コシ・ファン・トゥッテ」は、日本語表現だと「女はみんなこうしたもの」「世の女なんて誰でも浮気をする」というタイトルの歌劇。
ドン・ジョバンニ」が男の女たらしを題材にした歌劇だったのに対をなす。

鑑賞した作品は、今回もイタリア語版で、解説テロップは英語というもので、日本語のテロップが無いので、今回も頭はフル回転するも、体が疲れているので理解力が歌劇の進行と英語のテロップ読解が追い付かず難儀した。
今回は重奏、別れの五重奏等を素直に聞き、その素晴らしさを堪能することにした。

 

鬼才モーツアルトだが、そのあまりにも人間的な作品を作曲したのに、とても親しみが湧く。

彼が父や姉に当てた書簡を見ても、下品と感じる言葉をさりげなく使う人間性に、遠藤周作が頭に浮かんだ。