「自照(じしょう)」と言う言葉をご存知ですか?
これは 自ら光を発するということで、真っ暗な闇の中を、舞い飛ぶホタルのこと。
今から5-60年前の黒川の夏の夜は、まさにホタルが乱舞していました。
黒川にはその当時は街灯が全くなく、夜になると真っ暗で、鶴川街道沿いには三沢川で生まれた
たくさんのホタルが淡い光を放っていました。
その当時 子どもだった管理人は たくさんのホタルを捕まえて、家の中にしつらえられた蚊帳(かや)の中に
ホタルを放って、その光を見ながら眠りについた記憶があります。
今の家庭では 蚊を防ぐ蚊帳を使っている家はないでしょう。
昔の風物詩として、蚊帳とホタルは 忘れられません。
☆--------螢(ほたる)の異称--------
『自照』という言葉は、さまざまな意味を持っています。
ひとつは、みずから、光を発すること。
もうひとつは、おのずから明らかになること。
そして、自分自身の心を照らして、深く観察することもさします。
螢の異称としても使われますが、これも、みずから光を放つから
ですね。
真っ暗な闇の中を、舞い飛ぶ螢……。
まるで、自分の光をたよりに、飛んで行くかのようです。
実際に、光を発することのできない私たちは、いつも何かに、
そして、誰かに照らされながら、生きてきました。
闇に包まれると、まず、灯りを求めます。
それは、心の場合も同じ。
希望の灯りをともさなければ、どこをめざしていいのか、途方に
暮れてしまいます。
そして、照らされることに慣れるあまり、つい、誰かが照らして
くれないかと、思いがちです。
でも、悠々と、命を燃やしながら、輝いている螢を見ていると……。
みずから灯をともすことのすばらしさを、教えられる思いです。
そう、たとえ、どんなにささやかでも、小さな光がともれば、
そこは闇ではなくなるのですね。