2017年07月16日

『自照』(じしょう)=蛍(ホタル)

hotaru自照(じしょう)」と言う言葉をご存知ですか?

これは 自ら光を発するということで、真っ暗な闇の中を、舞い飛ぶホタルのこと。

 

今から5-60年前の黒川の夏の夜は、まさにホタルが乱舞していました。

黒川にはその当時は街灯が全くなく、夜になると真っ暗で、鶴川街道沿いには三沢川で生まれた
たくさんのホタルが淡い光を放っていました。

その当時 子どもだった管理人は たくさんのホタルを捕まえて、家の中にしつらえられた蚊帳(かや)の中に
ホタルを放って、その光を見ながら眠りについた記憶があります。

今の家庭では 蚊を防ぐ蚊帳を使っている家はないでしょう。

昔の風物詩として、蚊帳とホタルは 忘れられません。


 ☆--------螢(ほたる)の異称--------

 自照』という言葉は、さまざまな意味を持っています。

 ひとつは、みずから、光を発すること。

 もうひとつは、おのずから明らかになること。

 そして、自分自身の心を照らして、深く観察することもさします。

 螢の異称としても使われますが、これも、みずから光を放つから

 ですね。

 真っ暗な闇の中を、舞い飛ぶ螢……

 まるで、自分の光をたよりに、飛んで行くかのようです。

 実際に、光を発することのできない私たちは、いつも何かに、

 そして、誰かに照らされながら、生きてきました。

 闇に包まれると、まず、灯りを求めます。

 それは、心の場合も同じ。

 希望の灯りをともさなければ、どこをめざしていいのか、途方に

 暮れてしまいます。

 そして、照らされることに慣れるあまり、つい、誰かが照らして

 くれないかと、思いがちです。

 でも、悠々と、命を燃やしながら、輝いている螢を見ていると……

 みずから灯をともすことのすばらしさを、教えられる思いです。

 そう、たとえ、どんなにささやかでも、小さな光がともれば、

 そこは闇ではなくなるのですね。