2010年05月04日

「神戸北ホテル」を鑑賞して…川崎・しんゆり芸術祭

神戸北ホテル冊子
今年の川崎・しんゆり芸術祭<アルテリッカしんゆりで、最も期待し楽しみにしていたプログラムが、黒川に活動拠点を構える劇団民芸の「神戸北ホテル」だった。

5月2日(日)に麻生市民館(定員1010名)を会場にして演じられたお芝居は予期した以上に楽しい見応えのあるものだった。
劇団民芸の熱心なファンが早くから列に並び会場も見たところほぼ満席の客の入りで、わたしのような年配者が多いと感じた。


戦時下という年配者には懐かしい時代設定の「神戸北ホテル

その中で庶民のバイタリティを独特のユーモアと哀感を込めたストーリー、神戸の築50年も経た古いホテルとそこに宿泊する庶民の暮らし、人の出会いと別れ、人情味あふれる付き合い、大人のロマンスが、くすぶったレトロな風情の舞台によくマッチしていてわたしのような古い人間の郷愁を誘う。

何か60年前の日本にタイムスリップしたような錯覚を覚えさせるセピア調の舞台設定。


稽古場風景450登場人物も男子はズボンにゲートルを巻きつけ、女子は紺のモンペ姿が懐かしく、ほとんどが成熟した中高年の大人の俳優さんで、見ていて安心できしかも落ち着く。

騒々しい音楽やバタバタした動きがない、若いチャラチャラ、ナヨナヨした青年たちの芝居でないことが、見るわたしに親しみを呼び起こしていた。

   (写真:黒川にある劇団民芸の稽古場風景…解説資料より転載)

地元黒川の住民として劇団民芸が地域の人に溶け込むという意味合いがある黒川での稽古場公演にわたしは かって4−5回行き、目の前で繰り広げられる演劇を楽しんだことがあったが最近は御無沙汰していたので、今回の公演は久し振りでもあり楽しかった。


今回の麻生市民館の公演では、シナリオでは38人の俳優・スタッフで演じられることになっているが、劇団民芸の活動拠点 黒川がある麻生区が会場であり地の利があることから70名近い民芸の皆さんが新百合ヶ丘に結集して公演を盛り上げていた。


昨年末の三越劇場で大好評だったこの「神戸北ホテル」は、今年の川崎・しんゆり芸術祭をスタートにして西日本24か所で 7月7日の岐阜県多治見市公演まで全51回もが予定されているとのこと。


昨年の第一回川崎・しんゆり芸術祭<アルテリッカしんゆり劇団民芸がこの麻生市民館で演じた奈良岡朋子出演の「エイミーズ・ビュー」。

今回の「神戸北ホテル」看護婦役で主演の大関うららを演じた奈良岡朋子の円熟した演技に期待した観客も多かったのではないでしょうか。


来年の川崎・しんゆり芸術祭<アルテリッカしんゆりでの劇団民芸の出し物に大いに期待したい。

何しろ都心へ出なくとも劇団民芸の本格的な芝居が新百合ヶ丘で見られるのだから!

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以下は劇団民芸のホームページから転載*********

神戸北ホテル

昭和16年、川柳作家であり歯科医の仁野六助は治安維持法で検挙されます。東京を追われた仁野が行き着いた先は神戸、その名も北ホテル。名前こそしゃれてはいるものの、築50年、老朽化したここは闇屋、行商人、打ち捨てられた外国人たちがたむろするハキダメのようなホテルです。しかし妻子を東京においての気ままな暮らし、女にめっぽうだらしがない仁野は、この束の間の独身生活をそれなりに謳歌するのでした。ところがそこに昔の恋人、大関うららが不意に現れます。彼と別れて一度は郷里の長崎・福江島に帰っていた彼女は、仁野が離婚したとの噂を信じてはるばる神戸まで彼を追いかけてきたのです。必死な彼女の一途さに恐れをなす仁野をよそに、うららはさっさと看護婦の職を見つけて神戸に居座ってしまいます。昭和も19年になり、戦局は日増しに過酷さを増していき・・・。

 


 

作・・・・・・・・・・・・・・・・・・小幡欣治
演出・・・・・・・・・・・・・・・・丹野郁弓
装置・・・・・・・・・・・・・・・・石井みつる
照明・・・・・・・・・・・・・・・・前田照夫
衣裳・・・・・・・・・・・・・・・・緒方規矩子
音楽監督・・・・・・・・・・・・日高哲英
効果・・・・・・・・・・・・・・・・岩田直行
舞台監督・・・・・・・・・・・・武田弘一郎
演出助手・・・・・・・・・・・・佐々島 侑
装置助手・・・・・・・・・・・・勝野英雄
衣裳助手・・・・・・・・・・・・金田正子
照明助手・・・・・・・・・・・・尾藤俊治

大関うらら(看護婦)・・・・・・・・・・・・・・・・奈良岡朋子
仁野六助(歯科医)・・・・・・・・・・・・・・・・西川 明
   典子(その妻)・・・・・・・・・・・・・・・・箕浦康子
   章吾(会社役員)・・・・・・・・・・・・・・三浦 威
小鹿啓四郎(ホテル支配人)・・・・・・・・稲垣隆史
森口八重(ホテル事務員)・・・・・・・・・・望月ゆかり
丹沢伸夫(楽団員)・・・・・・・・・・・・・・・・和田啓作
   晴美(楽団員)・・・・・・・・・・・・・・・・大越弥生
内村咲男(楽団員)・・・・・・・・・・・・・・・・齊藤尊史
下平洋一(楽団員)・・・・・・・・・・・・・・・・行田 旭
宮代卯吉(宿泊客)・・・・・・・・・・・・・・・・今野鶏三
赤岩仙次(宿泊客)・・・・・・・・・・・・・・・・角谷栄次
鬼河俊男(宿泊客)・・・・・・・・・・・・・・・・境 賢一
内沼タキ江(宿泊客)・・・・・・・・・・・・・・・別府康子
丸目勘十(宿泊客)・・・・・・・・・・・・・・・・杉本孝次
片桐夕子(バーのママ)・・・・・・・・・・・・細川ひさよ
深見新子(バーの女給)・・・・・・・・・・・・船坂博子
中原りえ(バーの女給)・・・・・・・・・・・・・庄司まり
ベルトルッチ(宿泊客 イタリア人)・・・里居正美
      妻(宿泊客 イタリア人)・・・前田真里衣
バーシャ夫人(宿泊客 ロシア人)・・・入江杏子
白波瀬晃(警部補)・・・・・・・・・・・・・・・・吉岡扶敏
貫名(刑事)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・高橋征郎
佐近(刑事)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・児玉武彦
荒木(病院事務長)・・・・・・・・・・・・・・・・天津民生
武市恭平(海軍士官)・・・・・・・・・・・・・・高野 大
他に宿泊客、巡査など・・・・・・・・・・・・・・岡山 甫、吉田正朗