2010年03月22日

 『相合』(あいあい)

878[1] 
---二人またはそれ以上で一つのものを所有すること---

 「相相」とも書きます。

 雨の日は、一つの傘で、「相合傘」。

 これは、今でも使う言葉ですが、昔は、もっといろいろな『相合』が

 あったようです。


 「相合炬燵(あいあいごたつ)」、「相合蒲団(あいあいぶとん)」、

 「相合硯(すずり)」、「相合駕籠(かご)」……。

 「相愛(あいあい)」と書けば、相思相愛のことですが、

 『相合』の場合は、恋人同士の男女に限らず、ものごとをいっしょに

 することや、共有するという場合にも使われました。


 共同で使う井戸は、「相合井戸」。

 数人で使う櫛(くし)は、「相合櫛」。

 「あいあい」というやさしい響きの言葉の中に、きっと、

 みんなのものだから、大切にしよう……という気持ちを育ててきたの

 でしょうね。

 忘れられていくこの言葉……。

周りには、今でも、たくさんの『相合』があるはずです。

     
     引用: 『センスを磨き、幸せを呼ぶ〜夢の言の葉〜』

     発行者:夢子 こと 山下 景子