黒川(川崎)にあり600年もの長い間地元の檀家に愛されてきた曹洞宗(そうとうしゅう)雲長山(うんちょうざん)西光寺(さいこうじ)の開山堂・客殿・庫裡落慶法要並びに十九世晋山開堂並法戦式が秋晴れの11月21日(土)にめでたく執り行われました。
主な儀式は晋山式(しんさんしき)(曹洞宗管長猊下より新たに住職に任命されたものが、初めてその寺に入る言わば就任式)、晋山開堂、首座法戦式、諸堂落慶法要、檀信徒総回向と続きました。
次に会場をホテルモリノに変え、寺院および世話役等関係者が列席しての祝宴が開かれました。
まず晋山式は、安下処(あんげしょ)となった西光寺総代宅を新命方丈様が訪れ、そこを起点として西光寺山門を目指して五十名の稚児さんによる行列が行われました。
お寺に新しく任命された住職を特に「新命方丈(しんめいほうじょう)」と呼びます。
稚児行列は新命方丈さんを先導するお役目。
四本の彩幡、龍灯(提灯)、赤い大傘に先導されて住職が山門まで進みました。
灌頂洒水(かんじょうしゃすい)の儀式。
稚児行列を終えた良い子は、山門で僧侶によって香水を頭に注いで頂きました。
これは子供たちのすこやかな成長と健康を願う秘法です。
稚児さんは、西光寺檀信徒の男女子(0歳児から15歳まで)。
参加者は50名にも及びました。
山門についた新命方丈さんは、お寺に入るに臨んでご自身の覚悟の言葉を述べられました。
履物を脱ぎ素足で赤い敷物の上を 本堂を目指して歩を進める新命方丈さん。
晋山開堂では、新命方丈様が須弥檀に上り、祈願と報恩の法語を唱え香をたかれました。
首座法戦式(しゅそほっせんしき)は、首座(修行僧のリーダー)が、住職に代わって「法」即ち禅の修行や悟りについて問答を戦わす儀式です。
この儀式で、小学校一年生の小僧さんが剃髪し黒い袈裟を着て参列して、曹洞宗の意義についてはっきりとした声で問いを発して参列者の関心を大きく引きました。
諸堂落慶法要では、導師様に大本山総持寺監院 西有寺 横山敏明大方丈様がお勤めになられました。
去る七月五日、総費用20億円をかけて国立競技場に大本山総持寺本堂を再現し15万人もの列席者があった石原裕次郎の二三回忌法要において、導師をお勤めになられた高僧です。
滞りなく式事が結ばれたあとは、本堂前で寺院関係者全員、寺族・世話人・来賓・親戚等の記念写真を撮りました。
参加された住職さまは、80有余名にも及びました。
新百合ヶ丘にあるホテルモリノに会場を移して、寺院関係者・寺族・世話人・来賓・親戚等が列席した和やかな祝宴が開かれ、お互いの労苦を慰労すると同時に西光寺の一九世聡英大和尚の益々のご活躍を祈念いたしました。
長年の檀信徒の夢であり願いであった開山堂・客殿・庫裏が実現し、ひとまず西光寺の環境が整備されたことは、西光寺大和尚・檀信徒にとって大変ありがたく、これからも黒川地区のよりどころとして連綿と歴史を刻んでいくことでしょう。
(参考:西光寺関連記事)(写真はすべてコンパクトデジカメで撮影)