2009年11月08日

歌劇「椿姫」(ラ・トラヴィアータ)

アンナ・ネプトレプコのコピー


今の時代に最もふさわしく活躍している若き実力歌手 アンナ・ネトレプコローランド・ビリャソンが演じる歌劇「椿姫」。
純粋愛に生きる究極のメロドラマ。


若さと美貌、スマートな体形から繰り出す 時には激しく時には甘いソプラノは、観客を魅了し作品に引き込む力を持つアンナ・ネトレプコは、歌劇歌手というイメージを打ち破るスーパースターだとわたしは思う。
マリア・カラスをしのぐ歌劇歌手になるに違いない。


rolando_villazon mのコピー

ローランド・ビリャソン
もプッチーニの作品 ラ・ボエームで、アンナ・ネトレプコと共演し素晴らしい舞台を演じた現代の実力テノール歌手。


今回鑑賞した作品は、2005年オーストリア ザルツブルグ音楽祭での公演ライブ盤。




高級娼婦ヴィオレッタは、南仏出身の若者アルフレードとの恋に、本当の幸せを見出す。

しかし、彼の父の願いで、二人は引き離される。

やっと二人が再開した時、

すでにヴィオレッタは死の床に就いていた・・・・。(この項は、オペラガイド126選から引用)


主な出演者

ヴィオレッタ・ヴァレリー(パリの売れっ子の高級娼婦):アンナ・ネトレプコ(S)

アルフレード・ジェルモン(南仏出身の若者):ローランド・ビリャソン(T)

ジョルジュ・ジェルモン(アルフレードの父親):トマス・ハンプソン(Br)

ドゥフォール男爵(ヴィオレッタの元のパトロン):ポール・ゲー(Br)

フローラ・ベルヴォワ(ヴィオレッタの友人):ヘレン・シュナイダー(MS)

アンニーナ(ヴィオレッタの侍女):ダイアン・ピルチャー(S)

グランビル(ヴィオレッタの医師):ルイジ・ローニ(B)

 

指揮:カルロ・リッティ

演奏:ウイーンフィルハーモニー交響楽団

合唱:ウイーンフィルハーモニー合唱団

演出:ウイリー・デッカー

上演時間:約2時間20分

 椿姫1300



ヴィオレッタ」(作品の主人公。パリの若き高級娼婦)とパリに遊学に来ていた青年「アルフレード」が初めて出合った華やかなパーティで、「アルフレード」が熱烈な愛の告白をし二人が恋に落ちる。
「この次はいつ会えるのか?」という「アルフレード」の言葉に、「ヴィオレッタ」は胸に飾っていた椿の花を渡し、「この花がしおれたらまた会いましょう」と応える。
気障(きざ)だと思うが極めて自然な対応に、ヴェルディの真髄をみる。



 

椿姫2300このザルツブルグ音楽祭での公演は、超現代的な演出のステージで行われる。

単色の何もない円弧上の舞台に、象徴的な大きな時計やソファーなどの最低限の装置が歌手たちにより、ステージの進行によって運びこまれるだけの簡素なもの。

このスッキリした舞台で演劇は、歌手たちの歌唱力と演技力、それにオーケストラの素晴らしい音楽で進行する。

歌劇と言えば作品の時代設定などをあらわすために、豪華な舞台がほとんどで、鑑賞する私たちも舞台の豪華さに目を奪われていた傾向があったが、この作品の舞台はシンプルそのもので2時間超の演技が進行するので、歌手の実力が問われる。

また作品の流れが、歌手の演技・表情と歌で進行するので理解しやすいという特徴も持つ。

見終わった感想は、素晴らしいの一言で余韻を残してくれた。

 

今回の歌劇「椿姫」のDVDは、わたしのライブラリーにあり、他にメトロポリタン歌劇場でジェームズ・レヴァイン指揮、プラシド・ドミンゴが出演する「椿姫」のDVDもある。

歌劇「椿姫」は、イタリアのヴェルディ作品の中でも親しまれている作品で、わたしも複数回の作品を鑑賞している。


2008年には、川崎百合ヶ丘ロータリークラブ主催の藤原歌劇団の作品を、昭和音楽大学のオペラハウスで鑑賞した。

○歌劇「トラヴィアータ」(椿姫)http://www.haruhino.com/archives/50603283.html

○オペラ「椿姫」川崎百合丘ロータリークラブ    http://www.haruhino.com/archives/51081021.html

       (参考:鑑賞した歌劇とその関連リスト