2009年08月27日

歌劇「影の無い女」

影の無い女250

 

 

ドイツの作曲家「リヒャルト・シュトラウス」の歌劇「影の無い女」を鑑賞した。

真夏日が続き、脳みそがぐちゃぐちゃになっていて、久しく文化的なものに触れる機会がなかったが、一カ月ぶりに歌劇を鑑賞した。

事前に解説書を読んで登場人物やあらすじを理解しようと試みたが、書物の文字を読むも内容が理解できず、老いのせいか・暑さのせいかとあきらめて鑑賞に臨んだ。

事前に理解できない歌劇を鑑賞するときは、一流の管弦楽団が奏でる歌劇の曲を存分に聞こうと割り切ることにしている。

作品は3時間に及ぶ傑作で、先輩によればドイツでは人気のある歌劇とのこと。


主な出演者

皇后(霊界の大王カイコバートと人間の間の娘):ルアナ・デヴォール(S

皇帝(カイコバートの娘と結婚した人間界の皇帝):ペーター・ザイフェルト(T

乳母(カイコバートから派遣されている娘の保護者):マリアナ・リボブシェック(A

バラク(染物師):アラン・タイトス(Br

バラクの妻:ジャニス・マルティン(S

霊界の使者:ヤン・ヘンドリック・ロータリング(B

指揮:ヴォルフガング・ザヴァリッシュ

演出:市川 猿之助

演奏:バイエルン国立歌劇場管弦楽団・合唱団

収録:1992年11月、名古屋 愛知県芸術劇場

 

概要(オペラガイド126選)

『皇帝と皇后、染物師バラク夫妻。

不毛の愛に悩む二組の夫婦が、与えられた試練を乗り越え、本当の愛を確認する。』という筋書きは歌劇「魔笛」に通じる。

多層的な構造をもつためわかりにくい展開もあるが、これほど規模が大きくファンタジーにあふれたメルヘン・オペラはない。幕切れの歓喜の四重唱は感動を誘う。

 

名古屋の劇場で、ドイツ・バイエルン国立歌劇場の歌手・合唱団が演じたドイツ歌劇だが、ステージの雰囲気はどこか日本の歌舞伎、あるいは中国の京劇の雰囲気がある。

それもそのはずで舞台衣装・照明は日本人。

そして演出は歌舞伎役者 市川 猿之助ということで、舞台背景や小道具、歌手が身につけている衣装も和服がベースになっている。しぐさもどこか歌舞伎風?

頭飾りも古事記に出てくる卑弥呼のようで、異色の歌劇だが、管弦楽団と指揮者はともにドイツ・バイエルン州生まれでドイツ語歌劇だ。日独のコラボレーションが生み出した雰囲気の歌劇。

 

            (参考:鑑賞した歌劇とその関連リスト