農山村ふるさとでは、春秋のお彼岸、お寺詣り、祖先のお墓参りに合わせて、彼岸の入り前日には組合総出で道路の修理清掃を行うことがしきたりになっていた。「みちぶしん」と呼んだ。山砂利を敷いた石ころ道のくぼみを平らかに修める備中鍬の若衆、草刈鎌で道端にはびこるかや草を刈り取る女衆。空缶・紙屑一つないその頃のふるさとの道は、皆の衆の協力奉仕によってみるみる広く平らかになっていく。やむを得ず当日出られない家ではお茶を用意して渇きをうるおしてあげるうれしい習わし、「普請」とは文字通り禅語、禅寺を中心に結ぶふるさとの美しい徳でもあった。
<宝典>
みちブシン「道普請」:道路の修繕。ミチヅクリ。
フシン「普請」:禅家の語。遍ク人人ヲ請来シ招キテ、他力ヲ得テ共共ニ事ヲナスコト。即チ禅林ニテハ、大衆ヲ集メテ作務スルコト。(大言海)