2009年05月10日

『詠雪の才』(えいせつのさい)

花摘み--------才能のある女性をほめたたえる語--------

 

 中国、東晋(しん)の名宰相とうたわれた、謝安(しゃあん)。

  彼の姪に、謝道オン(しゃどうおん)という女性がいました。


 にわかに降り出した雪……。

 謝安に、「何に似ているだろうか」といわれて、甥の謝朗(しゃろう)は、

 「空中に塩を撒(ま)き散らしたようだ」と答えました。

 彼女は、とっさに、風に吹かれて舞い立つ「柳絮(りゅうじょ)」にたとえ、

 謝安を感心させたといいます。

 

 「柳絮」とは、柳の花が咲いた後、ふわふわと舞い飛ぶ、白い綿毛のこと。

 日本の柳は、ほとんどが雄株なので、あまり目にすることはありませんが、

 中国では、春の風物詩だそうです。

 

 この故事から、非凡な才女のことを、『詠雪の才』と呼ぶようになりました。

 「柳絮の才」ともいいます。

 

 突然、音もなく舞い落ちてくる雪……。

 でも、心の中では、それぞれのメロディーが鳴っているのではないでしょうか。

 そんなメロディーを、言葉に置きかえてみませんか。

 

 『詠雪の才』と呼ばれるためではなく、小さな感動を伝える手段として……

 

   (出典:夢子 こと 山下 景子 『センスを磨き、幸せを呼ぶ〜夢の言の葉〜』)