2009年03月05日

施設見学会(多摩生活環境事業所)

雑紙の出し方m昨年(平成20年)の41日から始まった「ミックスペーパー(雑かみ) 」のモデル収集。

 

川崎市の黒川地区(黒川・はるひ野)が平成20年度からモデル地区になり、環境に配慮した街づくり事業の一環として「ミックスペーパー(雑かみ)」の収集が行われている。 (左パンフレット:クリックで拡大可)

 

このほど川崎市環境局多摩生活環境事業所主催で、黒川町内会・はるひ野町内会の希望者を対象にした「ミックスペーパーモデル収集に伴う施設見学会」があり参加した。


雑かみの分類見学先は、トイレットペーパーを、収集されたミックスペーパーを原料として生産している『三栄レギュレーター株式会社 東京工場』(川崎区水江町)と『川崎市環境局浮島処理センター』(川崎区浮島町)の二か所。

 

 

 

 

 

 

 

 

雑紙とは? 

三栄レギュレーター株式会社 東京工場』は、

2003年開業のトイレットペーパーだけを生産している工場で、ミックスペーパーだけを原料としたユニークな工場だ。

 

ここは世界で最初の“廃棄物ゼロの製紙業工場(World first zero waste paper recycling plant)であるよし。

 

生産規模は、6−7,000トン/月の雑紙を原料にして、1日に110万ロールのトイレットペーパーを生産。(110万ロールは、6,500所帯の1年間使用料に匹敵)し、トイレットペーパーでは国内最大の工場で、市場占有率は30%。

毎月持ち込まれる回収紙は、大型トラック700台分。

 

搬入された回収紙(雑かみ)のうち、30%は異物であり残り70%が原料になるよし。

わたし達が出すミックスペーパーの他に、企業・官公庁の企業秘密書類を段ボール箱で受け入れ、一切開箱せずにプラントに投入し、薄いトイレットペーパーが流れるように生産されている。

 

驚いたのは紙製ファイルについている金属バインダーやクリップ・ホッチキスのたぐいの金属片が混入していても、すべて取り除くことができるということ。

 

異物として回収された金属類は、同じ敷地内にあるJFEの製鉄所で使用され、プラスティック類は燃焼し生まれた熱エネルギーを工程で乾燥することに使うと同時に発電しているという具合にゼロエミッションの工場として稼働。

 

限りある資源を無駄にせず、再利用されることは、地球にとっても負荷をかけることなくやさしい。

 

中央制御室

 

 

 

川崎市環境局浮島処理センター』は川崎市に4か所あるごみ処理施設の一つで平成7年10月竣工の最新設備を備えたセンター。

 

ここは焼却炉が3基あり、一基当たり300トン/日の処理能力があるので、最大900トン/日の受け入れが可能。

 

受け入れられたゴミは、自動化されたプラントの中で850度から1,000度の高温で燃やされて15%が灰になる。その残灰は、埋め立ての材料として活用されている。

焼却で発生した余熱は発電に利用され、12,500KWの電気を生み出し年間3億円の売り上げ。

 

 

 

粗大ごみの手分類作業川崎市の粗大ゴミ処理施設は、この浮島センターと橘センターの二か所がある。

 

受け入れた粗大ゴミは、まず人手で内容物を検査し、危険物・爆発物などを除去していた。

そして切断・破砕され、資源物に分類されて貯留し、業者に売り渡す。

 

また特殊焼却処理施設として動物死体焼却炉があり、他のごみとは別に衛生的に全自動で焼却される。敷地内に遺骨を埋葬する場所・墓地もあった。

 

川崎市の職員の説明によれば、普通ゴミは、生ゴミが14%、その他ゴミが14%、紙類が51%であり、紙の占める割合が多く、それらを減らすことにより、全体のごみの量が減るとの説明があった。

そして新聞や雑誌・段ボールなどの資源紙のほかに、今回のミックスペーパー(雑かみ)をリサイクルしてトイレットペーパーに還元すれば、川崎市民が使用するトイレットペーパーはこれでまかなえるとのこと。

 

町内会の廃棄物減量指導員(市長が委嘱)の更なる指導と活躍のもとで、家庭のごみ分別(普通ゴミ、資源物、ミックスペーパー)を推進したい。

 

改めて自分の机周辺から出るごみの中から、紙製の袋に不要の紙類を分別をしてみると、かなりの量になる。これを紙リサイクルの工程に出せば資源の有効利用に直接参加することになると同時に、普通ごみが減って焼却場の負荷も減るという一石二鳥の効果が期待できる。