イタリアの有名なオペラ作家 ジュゼッペ・ヴェルディー。
ヴェルディーとは、イタリア語で「緑さん」か! (サッカーチームの名前にもヴェルディーがある。)
人間の悲劇に真っ向から取り組み、徹頭徹尾、悲劇作家だったヴェルディー(椿姫、アイーダ、オテロ、マクベス、リゴレット…)。
そのヴェルディ―が80歳に達して創作された歌劇が、「ファルスタッフ」。
ヴェルディーが最後にたどりついたのが全く趣の違った清澄なファンタスティック・コメディの世界。
人間の悲劇に真っ向から取り組んできたとてつもない巨人が「世の中すべて冗談だ!」と言い残してさらりと去っていく心憎いストーリー。
<主なストーリー>
騎士ファルスタッフは小悪党の従者をしたがえ、英国王離宮のあるウインザーで勝手放題の狼藉ぶり。
女たちに恋文を送り、生活費を巻上げようと画策するが、逆に亭主の裏までかく女房らの機知で散々な目に遭う。(この項:「オペラガイド126選」から引用)
<主な出演者>
サー・ジョン・ファルスタッフ(好色な老騎士):レナート・ブルソン(Br)
アリーチェ(フォード夫人):カーテェリア・リッチャレルリ(S)
フォード(アリーチェの夫):レオ・ヌッチ(Br)
ナンネッタ(アリーチェの娘):バーバラ・ヘンドリックス(S)
フェントン(ナンネッタの恋人):ダルマシオ・ゴンザレス(T)
クイックリー夫人(ご近所のお節介):ルチア・ヴァレンティ・テッラーニ(Ms)
メグ・ページ夫人(ご近所のお節介):ブレンダ・プーザ(Ms)
バルドルフォ(ファルスタッフの子分):フランシス・エジャートン(T)
ビストラ(ファルスタッフの子分):ウイリアム・ヴィルダーマン(B)
カイウス(医師):ジャン・ドボソン(T)
<指揮>カルロ・マリア・ジュリーニ
<演出>ロナルド・アイアー
<演奏>英国コヴェントガーデン王立歌劇場・管弦楽団・合唱団
<収録>1981年1月、英国コヴェントガーデン王立歌劇場(ライブ)
歌劇を締めくくる曲は、ファルスタッフの音頭で始まるリズミカルなフーガ「世の中はすべて冗談!」
「人はふざけるために生まれた。誠実もあやふや、理性だってあやふや」と続く。
すべて「ぐうたら、適当」が好きな管理人にとってはうれしいフーガで、ヴェルディーの人間性が好きになってしまう。
(フーガ(伊:fuga、遁走曲)は 対位法による楽曲のひとつである。バロック時代における音楽語法のもっとも重要なもの:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)。
(参考図書:イタリア・オペラ(下) 音楽之友社 スタンダード・オペラ鑑賞ブック)
Posted by tomato1111 at 00:05│
歌劇を鑑賞して