2008年12月15日

『案山子』(かかし)

かかし----田畑が鳥獣に荒らされるのを防ぐために立てた人形----

 

 『案山子(かかし)』の語源は、「嗅(か)がし」だそうです。 

 

 


昔は、鳥や獣のいやがる匂いで、近寄られるのを防いでいたといいます。

 ぼろ布や、髪の毛などを焼いて、竹につけ、田畑に置いていたのだとか。

 

 やがて、竹やわらで作った、人形の『案山子』に変わっていきました。 

 

 また、古くは、「そおど」「そおず」ともいったようです。

 漢字の「案山子」は、中国からきたもの。

 

 「」は「」という意味ですから、「案山」は、机のように平たく低い山

 のことです。

 その「案山」の田んぼ……つまり「山田」に立てた、鳥獣よけの人形の

 ことを、「あんざんし」と呼んでいたそうです。

 

 「山田」と『案山子』は、このころからセットになっているいるようですね。 

 『古事記』にも、「山田のそほど」で、登場します。

 

 実は、この『案山子』は、何もかもお見通しの、久延毘古(くえびこ)と

 いう名の神だったということです。

 

 『案山子』のまなざしを意識していたのは、鳥獣より、人の方だったのかも

 しれませんね。

 黙っていても、何もかもわかってくれる存在を、信じていたということでは

 ないでしょうか。

 

     引用:夢子 こと 山下 景子

            『センスを磨き、幸せを呼ぶ〜夢の言の葉〜』