2008年11月13日

『天地の詞』(あめつちのことば)

月と女性

 

----いろは歌」に先立って作られたとみられる、

              四十八文字、すべてをよみこんだもの---- 


    天(あめ)地(つち)星(ほし)空(そら

  山(やま)川(かわ)峰(みね)谷(たに

  雲(くも)霧(きり)室(むろ)苔(こけ

  人(ひと)犬(いぬ)上(うへ)末(すゑ

  硫黄(ゆわ)猿(さる) 生()ふせよ

  榎()の枝()を 馴()れ居()て

  

  

 最後の「」の「」は、ヤ行の「ye」だといわれます。 

 「(wi)」と「い」、「(we)」と「え」は、文字だけではなく、

 昔は、ちゃんと発音上でも、区別していたのだそうです。

 

  この『天地の詞』ができたといわれる平安時代の初期、日本人は、

 「e」「we」「ye」三種類の「え」を使い分けて、話していたのですね。 

 主に、手習いに用いられたというこの詞。

 

 やがて、「いろは歌」が考え出され、今では、すっかり忘れられた 

 

 でも、太古から、変わりなく聞くことのできる『天地の詞』があります。 

 

  〜音もなく 香(か)もなく 常に天地は 書かざる経を くり返しつつ〜

                                      (二宮尊徳) 

 

 私たちに、いつも何かを教え、励まし、包んでくれる……。

 この『天地の詞』に耳を傾けることを、どうか忘れないでと、願います。

 

    引用:夢子 こと 山下 景子

         『センスを磨き、幸せを呼ぶ〜夢の言の葉〜』

 

******************************************

 

(参考:いろは歌・・・わたしが知っている『いろは歌』は下記のとおりです。)

 

いろは歌

    (出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)

 

いろは歌(いろはうた)は、全ての仮名を使って作られている歌で、手習い歌の一つ。

七五調四句の今様(いまよう)形式になっている。

手習い歌として最も著名なものであり、近代に至るまで長く使われた。

そのため、全ての仮名を使って作る歌の総称として使われる場合もある。

また、そのかなの配列順は「いろは順」として中世〜近世の辞書類等に広く利用された。

 

ひらがな>での表記

   いろはにほへとちりぬるを

   わかよたれそつねならむ

   うゐのおくやまけふこえて

   あさきゆめみしゑひもせす

 

歌謡>の読み方

   色は匂へど 散りぬるを

   我が世誰ぞ 常ならむ

   有為の奥山 今日越えて

   浅き夢見じ 酔ひもせず

 

古くから「いろは仮名47文字」として知られており、「ゑひもせす」の末尾に「」は付けないのが正式である。

しかし、現代には「」という仮名があるため「すべての仮名を使って」という要請を満たさなくなっており、便宜上つける場合がある。

 

歌謡の読み方は、17世紀の僧、観応(1650 - 1710年)の『補忘記』によると、本来は最後の「ず」以外すべて清音で読まれる。

「ず」は新濁で、本来は清音で読まれるものだが習慣的に濁って読まれる。