☆----すっかり紅葉しきらず、薄く紅葉した程度の木の葉----

秋を彩る、紅葉(もみじ)……。
その進み具合は、気になるものですね。
「紅葉狩」に行って、まだ、色づきが悪いと、がっかりしたり……。
ですが、そんな木々を、昔の人は、『薄紅葉』と呼んで、愛でていたのです。
目にも鮮やかな紅葉ばかりが、いいのではない。
その移りゆく過程にも、趣があるのだということでしょう。
〜花は盛りに、月は隈(くま)なきをのみ見るものかは〜
(花は、盛りのときのみ、月は、曇りなく輝いているときだけを、見るものだろうか……)
という、吉田兼好の『徒然草』の考え方にも、通じます。
完璧ばかりを求めず、その時々のよさを味わってきたのが、日本人といえるのではないでしょうか。
〜山まつの ふかきみどりを にほひにて
あらはれそむる うすもみぢかな〜 (香川景樹)
「もみじ」の語源は、「揉(も)み出(い)ず」とか。
色を揉み出すようにして、一途に自分の色をあらわそうとしている木々たち……。
そんな姿を、あたたかい眼差しで、見守ってあげたいですね。
引用:夢子 こと 山下 景子
『センスを磨き、幸せを呼ぶ〜夢の言の葉〜』 2007.11.16
(余談:管理人が最も忌み嫌う言葉の一つに『薄毛(うすげ)』があります。)