2008年11月07日

『薄紅葉』(うすもみじ)

 ☆----すっかり紅葉しきらず、薄く紅葉した程度の木の葉----

 

姫シャラの紅葉400

 秋を彩る、紅葉(もみじ)……。

 その進み具合は、気になるものですね。

 

 「紅葉狩」に行って、まだ、色づきが悪いと、がっかりしたり……。

 ですが、そんな木々を、昔の人は、『薄紅葉』と呼んで、愛でていたのです。

 

 目にも鮮やかな紅葉ばかりが、いいのではない。

 その移りゆく過程にも、趣があるのだということでしょう。

 

 〜花は盛りに、月は隈(くま)なきをのみ見るものかは

    (花は、盛りのときのみ、月は、曇りなく輝いているときだけを、見るものだろうか……)

 

 という、吉田兼好の『徒然草』の考え方にも、通じます。

    

 完璧ばかりを求めず、その時々のよさを味わってきたのが、日本人といえるのではないでしょうか。

 

 

 〜山まつの ふかきみどりを にほひにて

          あらはれそむる うすもみぢかな〜 (香川景樹)

 

 「もみじ」の語源は、「揉(も)み出(い)ず」とか。

 色を揉み出すようにして、一途に自分の色をあらわそうとしている木々たち……。

 そんな姿を、あたたかい眼差しで、見守ってあげたいですね。

 

   引用:夢子 こと 山下 景子

       『センスを磨き、幸せを呼ぶ〜夢の言の葉〜』 2007.11.16

 

   (余談:管理人が最も忌み嫌う言葉の一つに『薄毛(うすげ)』があります。)