2008年12月04日

『稲孫』(ひつじ)

稲孫ひつじ----刈ったあとの株から、また生える稲----

 

 古くは、「ひつち」。

 「乾土(干土)」のことです。


 稲刈りが終わったあと、土の乾いた田んぼから出てくるので、こう呼ばれる

 ようになりました。

 

 この『稲孫(ひつじ)』のことを、「ひこばえ」ということもあるそうです。

 

 漢字は、禾偏(のぎへん)に、「」と書く字を使うのが、一般的なのです

 が、インターネットでは表示されない字となっています。 

 

 秋の田んぼの表情は、劇的に変わります。 

 一面に、黄金色の稲穂が揺れていた田んぼ。

 

 稲刈りが終わって、切り株だけになり、土の色が見えている田んぼ。

 そのあと、『稲孫』が出て、また、うっすらと、緑の田んぼに変わるのです。 

 そんな田んぼは、「稲孫田(ひつじだ)」と呼ばれます。

 

 『稲孫』は、放っておくと、再び、穂を出すそうです。

 でも、ほとんどは、霜で枯れたり、掘り起こされてしまって、実を結ぶこと

 はありません。 

 

 それでも、新しい芽を出そうとする稲……。

 いのちの根っこは、どこまでも、前向きに生きているのです

 

   引用:夢子 こと 山下 景子

        『センスを磨き、幸せを呼ぶ〜夢の言の葉〜』