「フィガロの結婚」を観た皇帝ヨーゼフ二世が、そのなかに出てくる「コジ・ファン・トゥッテ(女はみなこうしたもの)」というセリフをテーマに、モーツアルトに新たなオペラを作らせたという作品。
「世の中の女なんて誰でも浮気する」というタイトルのオペラ。二組の男女の貞節をめぐる喜劇のなかに人間の本質が映し出される。
「フィガロの結婚」を観た皇帝ヨーゼフ二世が、そのなかに出てくる「コジ・ファン・トゥッテ(女はみなこうしたもの)」というセリフをテーマに、モーツアルトに新たなオペラを作らせたという作品。
「世の中の女なんて誰でも浮気する」というタイトルのオペラ。二組の男女の貞節をめぐる喜劇のなかに人間の本質が映し出される。
「コジ・ファン・トゥッテ」という言葉を聞いただけでは、この忙しい現代にあって特に観たいという気持ちが起きないが、「世の中の女なんて誰でも浮気する」と言う意味のオペラでかつ作曲がかの天才モーツアルトであるということで、興味しんしんで観劇した。
普通の歌劇とはどこかが違う。
登場人物が6人、二組のカップルと二人に仕える女中、それに老哲学者で進行する歌劇。
また舞台上に合唱団が賑やかに登場して華やかさを添えるのが一般的だがそれも無い。
登場人物が、姉妹、カップルというように美しい重唱で物語が展開して行く。
登場人物が全員、主演を演じ、特別な歌手はいない。
甘い切ないメロディで終始する歌劇。
力強い英雄がいるわけでもない、涙を誘う悲劇の主人公たるヒロインがいるわけでもない。
<主な出演者>
フィオルディリージ(ナポリの貴婦人、姉):ダニエラ・デッシー(S)
ドラベッラ(フィオルディリージの妹):デロレス・ツィーグラー(Ms)
デスビーナ(姉妹に仕える女中・小間使い):アデリーナ・スカラベッリ(S)
フェランド(仕官、ドラベッラの恋人):ヨーゼフ・クンドラック(T)
グリエルモ(仕官、フィオルディリージの恋人):アレッサンドロ・コルベッリ(Br)
ドン・アルフォンソ(老哲学者):クラウディオ・デズデーリ(B)
指揮:リッカルト・ムーティ
演出:ミヒャエル・ハンペ
演奏:ミラノ・スカラ座歌劇場管弦楽団・合唱団
収録:1989年4月、ミラノ・スカラ座歌劇場でのライブ収録(約186分)
天才モーツアルトの美しい音楽に浸れる珍しいスタイルの歌劇だとわたしは思う。
あのひょうきんなモーツアルトが書いた最も美しく、最も深く、そして最も悲しい音楽に溢れる。
恋愛とは、つまるところ相手はどうでもよくて、求愛という行為そのものが重要なのでは無いだろうかと解説書は結んでいる。
(参考文献:オペラガイド126選 成美堂出版、スタンダード・オペラ鑑賞ブック ドイツオペラ上 音楽乃友社)
やまざる
川崎市黒川(当時の住所表示)の農家に生れる。
来世も菩提寺である黒川の西光寺で、永遠の眠りにつく。
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