〜春の野に すみれ摘みにと 来し我ぞ
野をなつかしみ 一夜寝にける〜 (山部赤人『万葉集』)
この和歌から、「菫(すみれ)」は、『一夜草(ひとよぐさ)』と呼ばれるようになったようです。
〜春の野に すみれ摘みにと 来し我ぞ
野をなつかしみ 一夜寝にける〜 (山部赤人『万葉集』)
この和歌から、「菫(すみれ)」は、『一夜草(ひとよぐさ)』と呼ばれるようになったようです。
「月見草」や「待宵草(まつよいぐさ)」などのように、夜、咲いて、朝にはしぼんでしまう花を、「一夜花(ひとよばな)」といいますが、「菫(すみれ)」の場合は、そうではありません。
立ち去ることができず、一夜を過ごしてしまうほど、いとおしい花だということなのです。
ゆかしい紫の花びらと、飾り気のない姿。
うつむき加減に恥らう素直な様子が、人々の足を、止めてしまうのでしょう。
「菫(すみれ)」の語源は、大工道具の「墨入れ」に似ているからという説が一般的ですが、この説に異論をはさむ声もあります。
古くは、食用にしていたということで、「菫摘み」もよく行われていたとか。
そこから、「摘み入れ草」が変化したという説も有力です。
じつは、「菫(すみれ)」には、「二夜草(ふたよぐさ)」という異称もあります。
一夜、また一夜と重ねて、さらに愛情を深めていったのでしょう。
今でも、心から愛され続けている花ですね。
(出典: 『センスを磨き、幸せを呼ぶ〜夢の言の葉〜』
発行者:夢子 こと 山下 景子)
(写真:よこやまの道に咲く タチツボスミレ)
「のん木草・みどり見て歩き」から引用、
管理人の樹木・花等に関する師匠が最近始めたブログ
やまざる
川崎市黒川(当時の住所表示)の農家に生れる。
来世も菩提寺である黒川の西光寺で、永遠の眠りにつく。
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