いつものように忙しい秋の一日だった。
その日は秋晴れの良い日だったが、天気予報に依れば、明日以降3日間くらいは雨模様になると報じていた。
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いつものように忙しい秋の一日だった。
その日は秋晴れの良い日だったが、天気予報に依れば、明日以降3日間くらいは雨模様になると報じていた。
午前中は、1年ぶりになるモーツアルトの講座を受講した。
既に3回目となる下期の講義であるが、わたしは多忙を理由に欠席をしていて今回が初めてだった。
講座名は『モーツアルトに魅せられた音楽家たち――啓示と影響と讃美と――』。
講師は、日本モーツアルト研究所所長の海老澤 敏氏。元国立音楽大学学長・学園長・理事長。新国立劇場副理事長および同劇場オペラ研修所所長、紫綬褒章等を受章(賞)。「モーツァルト書簡全集」 (全6巻) 等、著書、訳書、編著、論文多数という著名人。
この日の学習内容は、「ミヒャエル・ハイドン――もう一人のモーツアルト――」。
先生は、穏やかな話しぶりで、テキストや参考書には余り目もくれず、18世紀のモーツアルトが活躍していた時代の毎日を喜びと苦悩を持つ人間をあたかも目の前で生きているかのように解説される。受講者のわたし達をその時代にいざなってくれ、モーツアルトの気持ちにさせてくれる。
当時は当然、インターネットも電話の無い時代。
なのに18世紀のモーツアルトの日々がわかるかというと、モーツアルトの父レオパルトとモーツアルトや姉のナンネルたちが、お互いに離れた場所で生活することが多いため、手紙で近況を知らせあっていたからだ。その書簡が残っており、それを翻訳したのが海老澤先生だからだ。
講義の合間には、モーツアルトやハイドンが作曲した作品を聞く時間が設けられている。また欧州で市販されているDVDなどを鑑賞する時もある。
初期の認知症にあると思っている自分にとっては、日本のトップレベルにある学者の講義を拝聴することは、脳への適切な刺激を与えると考えている。
自分には理解できなくてもありのままに受け入れることにより、脳が刺激を受ければ良いと思っている。
このような講義を受けられることは幸せなことだ。
<追記>
10月27日付の朝日新聞朝刊 文化欄に今年の文化勲章・功労者が写真入で紹介されている記事があった。
文化功労者の記事を見たら、あの海老澤 敏先生の写真と簡単な記事が掲載されているのを発見して驚いた。実は10月25日に先生の講義を受けたのだが、一言もそのような話がなかったからだ。
日本のオペラ界そしてモーツアルトの最高権威者から、モーツアルトの講義を拝聴している自分は幸せであり誇らしくもあった。
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