2007年07月16日

地域に暮らす・神社の草刈

天王様の草刈1黒川地区の鎮守様「汁守神社」。

汁守神社に伝わる神事「天王様(てんのうさま)」の式典が7月20日(金)に氏子(うじこ)により執り行われる。それに先立ち、汁守神社境内の草刈が氏子全員によって7月15日(日)の朝に行われた。


当日は統計史上最も強い勢力を持つといわれている台風4号がまさに関東地方に接近しているその日の朝。風は強くは無いが横殴りに吹き付ける暖かい叩きつけるような雨が降っている中で、氏子は無駄口ひとつきかず黙々と草刈を行った。

 

遊びでは無いので傘はさせない。

それぞれが雨合羽を着込んで、愛用の鎌を持ちあの広い境内の夏草を丁寧に刈り取った。今回は雨の中の作業効率を高めるためか自家用エンジン式草刈機を持ち込む人が多く、10台近くの草刈機がフル稼働していた。

 

最年長者は90歳の大先輩をはじめ、日曜日の朝なのでサラリーマンの氏子や男氏(おことし)が都合で参加できない家では奥様が参加して作業に従事した。どうしても草刈作業に参加できない氏子は、一定の不参加金を支払わねばならないことになっている。

 

遥か昔から地域の信仰の対象として存在してきた「汁守神社」。

厳かな神事を執り行うという決まりごとは、天候がどうであれ存在されている神に対しては関係が無い。激しい横殴りに降る雨の中を集まってきた敬虔な氏子達は誰一人として文句を言うものがおらず、雨に濡れた境内の草をひたすら刈っていた。

 

除草剤をまけば根こそぎ草を退治することができるが、そこは境内なので「天王様」の神事の時に気持ちよい環境で行えればよいので、昔からのやり方・・・氏子による草刈・・・が行われる。

 

ことほど左様に 地域に暮らすということはその地域の決まりごとがあり、昔から営々と続く慣習は良きにつけ悪しきにつけ守っていかねばならない。

 

台風が接近して激しく雨が降っているさなかに、自分のこと、自分の家庭には直接関係がないこのような地域の決まりごとに、何の抵抗も無く文句を言わずに労働作業に参加しなければならないことがあるのだ。

せっかくの日曜日の朝だ。外は激しく雨が降っている、体を濡らして手を汚してまでして行う神社の草刈などは真っ平御免だ』と思うような人は、地域に馴染んで暮らすことはできない。地域に暮らす資格が無い。

 

秋には汁守神社の例大祭がある。

例大祭が祝えるということの裏側には、このように汁守神社を支えている氏子達が、労働奉仕や金銭的な支援などによっているということを忘れてはならない。

 

今回の作業は、汁守神社を支えている氏子達の仕事であり、一般の黒川地区に住む人には協力を求めていないが、地域の町内会等が行う奉仕の作業も同じこと。また黒川町内会会館等の維持管理も、人に押し付けるのでなく自分たちに欠かせない施設という観点から全体のために対する奉仕活動と考えて行っている。ひとりひとりが住みよい街創りのために行われる奉仕活動には、今後も積極的に協力していきたいと考えている。