2007年07月15日

『雨障』(あまつつみ)

『雨障』(あまつつみ)

--雨に降りこめられて、外出しないこと

かえる 

空から降るものは、天の意思……。

そう考えられていた万葉、平安の時代。  

雨の日に外出することは、タブーでした。


 

それを、『雨障あまつつみ、または、あまざわり)』といって、

人々は、屋内に、こもっていなければならなかったそうです。 

通い婚だった時代のこと。 

 

もちろん、恋しい人に逢うこともできません。 

雨が恨めしくなるのも、わかる気がします。 

 

和歌では、「長雨を「ながめ」と読み、「眺め」に掛けて使われます。 

ぼんやりと、雨が降るのを、眺めているしかなかったのですね。 

 

つれづれの ながめにまさる 涙川 袖のみぬれて あふよしもなし

(「古今和歌集」藤原敏行) 

 

今では、自由に、雨の日でも出かけることができます。 

もう、天を恨まなくても、よくなったわけですね。 

雨に包まれて、しっとりと過ごすのもよし。

それぞれの雨を、みなさんは、どう過ごしますか。

 

 (引用:『センスを磨き、幸せを呼ぶ〜夢の言の葉〜』山下景子著)