曲を聞くとあの独特の雰囲気を持つ尾瀬沼の風景を思い出す人が多いだろう。
群馬・福島・新潟の3県の県境に位置し、雄大かつ繊細な自然が残されている尾瀬ヶ原。東西6km、南北2kmの広大な湿原。神秘的な美しさと貴重な自然の宝庫であることから、日光国立公園尾瀬として1934年に国立公園、1960年に特別天然記念物に指定されている。
曲を聞くとあの独特の雰囲気を持つ尾瀬沼の風景を思い出す人が多いだろう。
群馬・福島・新潟の3県の県境に位置し、雄大かつ繊細な自然が残されている尾瀬ヶ原。東西6km、南北2kmの広大な湿原。神秘的な美しさと貴重な自然の宝庫であることから、日光国立公園尾瀬として1934年に国立公園、1960年に特別天然記念物に指定されている。
6月の中旬に20人のグループで尾瀬探勝旅行をした。
先ず大清水までバスで行き、唐松林を散策して尾瀬の雰囲気を味わう。
片品川の渓流の音に負けないくらいの夏ゼミの大合唱に迎えられる。
(雪で曲がった道路標識。雪の重さにより、唐松の下枝刈は不要とのこと。)
バスで鳩待峠へ。
尾瀬に入る前に靴に付着している植物の種子(尾瀬以外の外来種を含む種)を除去する「種子落としマット」で靴底を清掃してから入山。
ここから歩いて、尾瀬沼西にある「山の鼻」へ。
宿泊は、山の鼻の山小屋「至仏山荘」。
この至仏山荘は尾瀬で最も近代的な小屋で、何と「ウオッシュレット」完備。
至仏山荘の屋根下の外壁には、体の小さな「岩つばめ」がたくさんの巣を作っており、元気よくわたし達の頭上を飛び交っていた。
夕方5時に夕食。
6時20分から談話室で、ビデオによる尾瀬の自然について講義あり。
「ひつじぐさB」という6畳間の和室に、男子5名宿泊。
わたしは布団を出した押入れに たたみ1畳分を確保して寝た。
寝酒に 「いわなのこつ酒」を楽しむ
尾瀬沼に霧が立ち込めている中での夜明けが美しいという話を聞き、4時過ぎに起床したが小雨が降っていて望めず。
5時過ぎには全員起床し、布団を片付け洗面を済まして6時に食堂で朝食。
7時に小屋を出発して、尾瀬沼の「山の鼻」から「牛首」を経由して、「竜宮」をゆったりと往復。
尾瀬沼を護るため、木道を歩く。木道は、尾瀬のほぼ全域をカバーしていて、総延長約57kmに及ぶとのこと。
このうち群馬側の約20kmに及ぶ、木道は東京電力が敷設・維持管理している。
寿命はおよそ8−10年。
間伐した唐松を、ヘリコプターで運び敷設。
4m長さの唐松4本(木道の往路・復路の分)のヘリコプター代は、20万円とのこと。
尾瀬の木道を歩くということは お金のお札の上を歩いていることになる。
(ちなみに尾瀬の湿原を形成する泥炭層(動植物の枯死体が腐ることなく堆積したもの)は、1年でわずか0.7−0.8mmしか堆積しないという。
尾瀬ヶ原の中央部でおよそ4.5−5mの厚みがあるという。おおよそ8000年前から泥炭が積み重なり始めたという。ことほど左様に貴重な泥炭層を護るために、木道の果たす役割は大きい。)
東京電力グリーンボランティア(ゴミ拾いボランティア)に名乗りをあげた。ゴミ袋とワッペン、木道リサイクルグッズを支給された。
「みんなの尾瀬をみんなでまもる」を合言葉に、歩きながら目に付いたゴミ拾いを実践。
尾瀬沼に入山している中学生・高校生の多くも、胸にワッペンをつけてゴミ拾いに協力している。
(左写真:グリーンボランティアのワッペン)
尾瀬は日本で初めての、ゴミ持ち帰りを行った発祥の地。
「日本における自然保護活動発祥の地」という。
尾瀬を訪れる入山者は、低年齢化と高齢者という二極化が進んでいる。
今回も東京から来たという幼稚園の園児が、列を作って元気よく木道を歩いているのにあった。可愛い声で一人ひとり「こんにちは!・・・こんにちは!」と挨拶。
また近くの中学生や高校生が自然環境と保護を学ぶために、連日入山している。
一方、定年後の趣味として比較的高齢者の男女が多い。特に6:4の割合で女性が多いとのこと。プロ級の立派な登山道具に身を包んだ七十歳を超えていると思われる女性も多い。
特筆すべきは、尾瀬の保護に取り組んでいる東京電力だ。
尾瀬の群馬県側のすべて、尾瀬全体の約7割を所有。
更に尾瀬沼につながる戸倉山林を所有していて、18,180haに及び山手線内側の約3倍の面積。
至仏山の稜線の尾瀬沼側から鳩待峠、富士見峠、大清水、尾瀬沼、見晴、竜宮、東電小屋の広い範囲。
これらの広い面積を、国立公園という制約の中で、自然保護を実践している。
また東電小屋、元湯山荘、至仏山荘、鳩待山荘、尾瀬沼山荘、大清水休憩所は、東電の関連会社である尾瀬林業株式会社が経営。
入山者に清潔で快適な宿泊を提供している。
そして「荒廃した湿原の回復作業」をはじめとして、「木道の敷設」「公衆トイレの設置」「太陽光発電の導入」「ボランティアの植林」「ごみ拾い」などの活動を積極的に進めている姿に感銘した。
今回の尾瀬探勝の旅は、20人に対して4人のプロのガイドがつき、気安く尾瀬の自然について教えていただいた。山と渓谷社の「尾瀬自然観察ガイド」の筆者であり、元尾瀬山の鼻ビジターセンター所長の七五三木氏(しめぎし)も最初から最後まで、尾瀬に関するガイドをいただき、とても楽しい時間を過ごすことができた。
米国のような国立公園を護る「レンジャー」の働きを東京電力が行っていると聞き 更に感銘を深くした。
最後に、尾瀬は日本で29番目の「尾瀬国立公園」として、日光国立公園から独立する計画があり、今年の夏には発表が予定されている由。
自然環境保護のため
●動植物は採取しない
●外部から植物の種を持ち込まない
●ペットは持ち込まない
●ゴミは各自持ち帰る
●タバコの投げ捨てはしない
●木道・歩道以外は立ち入らない
(参考:「尾瀬自然観察ガイド」 山と渓谷社、「尾瀬と東京電力」パンフレット、「尾瀬ガイド2006」尾瀬林業株式会社 パンフレット、「尾瀬入山にあたって」東京電力株式会社 パンフレット他)
やまざる
川崎市黒川(当時の住所表示)の農家に生れる。
来世も菩提寺である黒川の西光寺で、永遠の眠りにつく。
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