新国立劇場 演劇研修所 一期生による試演会が 同劇場の小劇場で行われ私は5月8日(火)に公演を見る機会を得た。
出し物は、18世紀のイギリス ロンドンにある歓楽街 ソーホーを舞台にした音楽劇「三文オペラ」。
新国立劇場 演劇研修所 一期生による試演会が 同劇場の小劇場で行われ私は5月8日(火)に公演を見る機会を得た。
出し物は、18世紀のイギリス ロンドンにある歓楽街 ソーホーを舞台にした音楽劇「三文オペラ」。
2年間の基本的な俳優訓練を経た一期生が舞台実習として取り組んだのは、原作ジョン・ゲイ「乞食オペラ」翻案ブレヒトの名作『三文オペラ』。2年間の様々な俳優訓練を自分のものとし、更に舞台俳優としてのあり方を研修生が仕上た途中の成果を今回演じた。
「三文オペラ」Die Dreigroschenoper by Bertolt Brecht
初演:1928年8月31日 ベルリン テアター・アム・シッフバウアーダム劇場
19世紀末のロンドン。乞食の元締めのピーチャムの娘ポリーは、盗賊団の首領マクヒスにかどわされ、両親に黙って結婚してしまう。ピーチャムは、仕返しのためマクヒスをロンドン警視庁に密告するが、その総監ブラウンは、マクヒスとはかっての戦友で、裏で手を握っていた。そこでピーチャムは悪智恵を巡らし、ブラウンとマクヒスを追い詰めようとする・・・・・。
登場人物(役名の後の名前は、研修生の名前と年齢)
マクヒス(盗賊団の首領):前田一世(32歳)
ジョナサン・ジェルマイアー・ピーチャム(乞食商会の主人):北川 響(27歳)
シーリア・ピーチャム(その妻):二木(ふたつぎ)咲子(25歳)
ポリー・ピーチャム(その娘):小泉真希(25歳)
ブラウン(ロンドン警視庁の総監):古川龍太(24歳)
ルーシー(その娘):内田亜希子(24歳)
ロバート・スミス:窪田壮史(28歳)
ジェニー(酒場の女):河合杏奈(28歳)
フィルチ(警官):三原秀俊(30歳)
ウオルター(警官・乞食):山本悠一(27歳)
マティアス(乞食):古河耕史(25歳)
ジェイコブ(乞食):野口俊丞(23歳)
ベティー(乞食):眞中幸子(21歳)
ドリー:岡野真那美(24歳)
フィクセン:高島令子(24歳)
28mx17mの小さなフラットな劇場を凹形に座席を配置。中心部が演劇を行うステージ部分。観客席もステージ部も殆んど同じレベル。
わたしの席は、3D9で、凹形の凹んだ部分の真ん中で、ステージの真正面。俳優は目の前2−3m位にあるフラットのステージで演じるので、まるでわたしに向かって演じていると錯覚する。
日本の文化庁が後押しする施設で立った15人という選ばれた若いエリート俳優のタマゴたちは、訓練の成果を身体を一杯使って表現する迫力には驚いた。
ただ歳をとった自分には若い俳優の発声が早口で、内容を充分に聞き取れない時があったが止むを得ないのか。
時々 訓練を受けているとはいえ、学校の学芸会を思い起こさせる言い回しや行動があったが これもご愛嬌というもの。
出演者は上記リストにあるように15名。彼や彼女達は来年2008年春に研修を終了すると、これは押しも押されぬ日本を代表する俳優としての活躍する場が待ち受けていることが保証されている。
来年以降のお芝居で、配役の名前の中に彼等の名前を発見するでしょう。10年後、20年後、30年後には 勲章を授与されるような俳優も生れるに違いない。
ピーチャム役の北川 響(27歳)
新国立劇場は、文部科学省・文化庁の後押しで独立行政法人日本芸術文化振興会から委託を受けた財団法人新国立劇場運営財団が行っている。新国立劇場の公演等に係る経費(財団法人新国立劇場運営財団の経費)については、入場料収入のほか、独立行政法人日本芸術文化振興会の委託費(国費を含む)や多くの民間企業、個人篤志家等からの寄附金で賄っている。
現代舞台芸術における芸術家等の人材育成は文化庁の重要施策の一つであり、新国立劇場では、「現代舞台芸術の実演家、舞台技術者等に係る研修」が、事業の一つとして行われている。現在、オペラ歌手研修事業が「オペラ研修所」として平成10年(1998年)4月から、バレエダンサー研修事業が「バレエ研修所」として平成13年(2001年)4月から行われている。そして俳優研修事業が「演劇研修所」として平成17年(2005年)4月からスタートした第一期生は今年の4月で満2年が経過した。
研修期間は3年間であり、基礎が終了し満2年が過ぎあと1年の研修があるところで、今回の試演会が企画されたもの。
研修生は15名の少人数で、授業料は年額18万9千円であるが奨学金が月額6万円支給されるという好条件。今年の研修生は入学済みですが来年も15名の募集があるので、吾はと思う18歳以上30歳未満の方は応募してください。宝塚は女性が絶対条件ですがここは男子も受け入れている。
配布された資料に依れば、この一期生15名の講師陣は、日本を代表する一流の方たち41名があたっていると記されている。選ばれた研修生は、プレッシャーもあると思うがこれ以上の環境は日本では難しいのではないかと思う。今後も来年の終了までに、更に二作品に取り組むとのことなので、また機会があったら拝見させていただきたいものだ。
当日も会場について、小劇場を目指して館内を歩いていると、人懐っこい顔・はっきりした声でにこやかに案内をしてくれた若人の男女がいた。彼らもおそらく研修生なのだろう。気持ちが良かった。
新国立劇場のオペラ研修所の所長は、かって わたしがモーツァルトの講義を受けた時の講師であられた海老澤 敏先生。(日本モーツァルト研究所所長)
(参考資料:当日配布のパンフレット他)
やまざる
川崎市黒川(当時の住所表示)の農家に生れる。
来世も菩提寺である黒川の西光寺で、永遠の眠りにつく。
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