2007年03月30日

鐘と共に去りぬ

ビジネスマンアメリカのアトランタを舞台にした有名な時代長編小説に『と共に去りぬ』(原題"Gone With the Wind")がある。マーガレット・ミッチェルの作品でスカーレット・オハラという女性の半生を描いたもの。

わたしのサラリーマン時代は、と共に去りぬ(Gone With the Bell)で過ごした。

即ち無用な残業は一切せず、原則定時で退社。夕食は自宅で家族と共にとるというもの。


会社の終業ベルがなるとすぐに席を立ち退社した。庶務担当の女子社員より早く会社を出る場合が多かった。たまたま残業をしていると女子社員から「今日はどうしたのですか?」と聞かれることがあるくらいだった。

 

自分から「鐘と共に去りぬ」と言い残して会社を出た。

管理職になってからもこのやり方を通したので、部下はやりやすかったと思う。

海外勤務になってもこのやり方は押し通した。外人に対しても「"Gone With the Wind"ならぬ"Gone With the Bell"」と説明し理解を得たが『お前の考え方は日本人らしくない』とよく言われた。

 

しかし残業は絶対にしないということではない。

役員会議の資料作成・取りまとめや期末・年度末の予実算取りまとめ、新製品資料作成などのように、緊急を要し期限が決まっている大きな仕事は、残業・徹夜・休日出勤を厭わずに行った。

 

もしわたしが人並みに、上司が残業しているのを横目で見て、緊急を要する仕事もないのに上司に合わせて残業していたら、わたしの受領する年俸・退職金・年金額が増えていたかもしれない。

 

若き現役時代に休日出勤をしていたときの話。

ガランとしたオフイスで誰からも干渉を受けずに仕事をしていると電話が鳴った。

同僚からだった。

 

もしもし、今日は部長が出ていますか」という内容。

わたしは「今日は日曜日で部長はお休みだ。」と答えると、

あー、そうですか。部長が出ていなければ今日の休日出社は見合わせます」と言って電話が切れた。

 

一瞬、私は『彼のタスクは何なんだ』と思いあきれたものだ。

 

(参考:たまたま見つけた関連新聞記事、日経夕刊 平成19年3月29日)

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