当日の番組と主な出演者は、下記のとおり。
一.「春の別れ―千手の前−」
作詞:竹内道敬先生
作曲:新内仲三郎
出演:新内仲三郎(人間国宝・弾き語り)
新内 剛士(浄瑠璃)
岡本宮之助 (上調子)
○
米川 裕枝(箏こと)
○
田中 之雄(琵琶)
二.「羅生門」
作詞:竹内道敬先生
作曲:新内仲三郎
作曲:山本 邦山
出演:新内仲三郎(人間国宝・三味線)
新内 剛士(浄瑠璃)
新内勝英太夫(浄瑠璃)
岡本宮之助 (上調子)
○
山本 邦山(人間国宝・尺八)
あの広い新百合21ビル地下大ホールのステージには、金屏風と赤い毛氈の敷き物がひかれ、その上にきちんとした和服姿で正座をされて、日本の曲を三味線・箏(こと)・琵琶(びわ)・尺八の楽器と声量たっぷりの弾き語りですすめられた。
視聴者は竹内先生の講座を受講している会員とその聴講生が主体であったが、本日は一般の方にも無料で公開したので、およそ300人が素晴らしい時間を共有した。
わたし達日本人が持っている日本人のDNA、そのDNAが素直に反応する音楽を、それも日本で最高の人間国宝の方たちが奏でる音を聞くという最高の贅沢な時間を味わった。
曲の中で三味線がリードし、それを繊細なお箏、琵琶の懐かしい音が補完して素晴らしい日本のハーモニーを奏でる。また アメリカではジャズと共演されるなど幅広い活動をされている尺八の山本邦山氏は、2本の長短の尺八を使い分けてのノスタルジックな音が忘れられない。何故 細い竹で出来ている尺八、穴は前に4個、背面に1個しかない尺八であのように繊細で懐かしい昔の情景を髣髴させる曲を奏でることが出来るのか不思議だ。
今やTVやラジオをかければガチャガチャした西洋音楽の流れが耳に入るが、やはり昔から引き継がれてきている日本音楽は、素晴らしい。聞いて心が落ち着く。
願うれば、秋の月夜の晩に月を愛でながら、そこはかとなく金木犀(きんもくせい)の香りが漂ってくる日本庭園で、しんみりと今日の演目のような曲を、三味線・箏・琵琶・尺八等の楽器で聞くことが出来たらと、しみじみ思った。日本人!万歳!!
ちなみに先生の今期の講座名は「日本音楽の歴史と文化」というタイトルであった。
竹内先生が作曲された主な曲は、
「蝉しぐれ」「新・玉藻の前」「秋の扇ー王昭君後日ー」「長興の風」「文の別れー手紙ー」「楊貴妃」「羅生門」「恋せよ」「修羅の琵琶」「天の鼓」「笛の道」「春の別れー千手の前ー」「琵琶の別れ」「王昭君」「胡笳の賦」「七小町」・・・等
やまざる
川崎市黒川(当時の住所表示)の農家に生れる。
来世も菩提寺である黒川の西光寺で、永遠の眠りにつく。
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