昔 駐在していたドイツ・フランクフルトでの魚釣りの話。
現地で取引のあった日本人がよく釣りの話をするので、同行したいというと、ドイツで魚釣りをするにはドイツ政府が発行した「魚釣り免許証」がなければならないという。
昔 駐在していたドイツ・フランクフルトでの魚釣りの話。
現地で取引のあった日本人がよく釣りの話をするので、同行したいというと、ドイツで魚釣りをするにはドイツ政府が発行した「魚釣り免許証」がなければならないという。
免許を取得するには、単純な試験ではなく、魚の生態、魚種、環境、道具、法規の5分野の知識が試される由。当然ドイツ語での筆記試験なので、ビジネスでドイツ語が理解できても魚については知らないことが多く、日本人にとっては超難関な試験。彼の場合は奥様がドイツ人ということで、日常的にドイツ語の中で生活しているため合格したのだ。(とわたしは思うことにしている。)
しかし話だけではつまらないのでわたしは無免許で川魚釣りを何回も楽しんだ。
これはドイツにおいては違法行為であり、発覚すれば会社名が分かり強制退去処分になるかもしれないという危険を冒して楽しんだ。
フランクフルトなので海からは遠いため、渓流釣りとなる。ライン川があるが、巨大な川であり、また魚も巨大すぎる。ましてや人目にもつくのでライン川では手を出さなかった。
まず餌のミミズの入手が困難。ヘッセン放送局近くにある大きな公園のブッシュ近くを掘って探すが、何せ欧州は乾燥しているので見つけるのが難しい。
採取したミミズを持って、小学生だった息子と日も明けぬ早朝の4時ごろに車で、フランクフルトの北側に位置するタウナス山の登山道脇の釣り場となる場所を目指して行く。やや薄明るくなった渓流の場所に到着し、車の中で黙って息子と二人で夜明けを待つ。
夜が明け切らないまだ薄暗いうちに、釣竿の針にミミズをセットして、堰を作っている渓流のポイントに流す。
すかさずピクッとマスが喰らいつき、20−30cmくらいの大きなものが面白いように釣れる。
要は魚が摺れていないのと、また魚の朝食タイムでよく釣れる。
しかし油断は禁物。ドイツ人の朝は早い。
わたし達と同じように薄暗いうちから、登山道にジョギングをしながらドイツ人が登ってくるので、見つけられないようにジッとして声を出さずに通り過ぎるのを待つ。
生真面目なドイツ人は他人の不正には厳しく対応する国民なので言い訳や弁解は不可能。「規則は規則」と片付けられてしまう。
釣ってきた魚の料理がこれまた一苦労。
ドイツ人は生の魚を家庭の台所で焼くということはしないと聞く。魚を焼く匂いを極端に嫌い、人を焼く匂いと表現する。
従って釣ってきた魚は先ず冷蔵庫で冷凍保存。そして食べたい時に解凍して、塩を振ったあとアルミホイルで何重にも包み熱したオーブンに入れて蒸し焼きにして、醤油をたらして食べたものだ。
懐かしいドイツでの川魚釣りの思い出話。
やまざる
川崎市黒川(当時の住所表示)の農家に生れる。
来世も菩提寺である黒川の西光寺で、永遠の眠りにつく。
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