リャヒャルト・シュトラウス作曲の歌劇「薔薇の騎士(Der Rosenkavalier)」を鑑賞した。「薔薇の騎士」は今回で二度目の鑑賞だった。前回は作品をハスッパに構えて鑑賞したが、今回は丁寧に鑑賞した。演奏時間は193分(3時間と13分)という長編。
ドタバタも少なく、ゆったりとしたテンポで、シュトラウスの曲と台詞、出演者の表情がよくわかる落ち着いたドイツ語歌劇だ。
リャヒャルト・シュトラウス作曲の歌劇「薔薇の騎士(Der Rosenkavalier)」を鑑賞した。「薔薇の騎士」は今回で二度目の鑑賞だった。前回は作品をハスッパに構えて鑑賞したが、今回は丁寧に鑑賞した。演奏時間は193分(3時間と13分)という長編。
ドタバタも少なく、ゆったりとしたテンポで、シュトラウスの曲と台詞、出演者の表情がよくわかる落ち着いたドイツ語歌劇だ。
主な出演者:
* マリア・テレーズ(陸軍元帥で伯爵の夫人、マルシャリンとも呼ばれる)(S)・・・フェリシティ・ロット
* オクタヴィアン(ロフラーノ伯爵、若き美青年、カンカンとも呼ばれる)(MS)・・・アンネ・ソフィー・フォン・オッター
* ソフィー(フェニナルの娘)(S)・・・バーバラ・ボニー
* オックス男爵(田舎の無粋な貴族、マリア・テレーズの親戚)(B)・・・クルト・モル
* ファニナル(商人上がりの裕福な新興貴族)(B)・・・ゴットフリート・ホーニク
指揮:カルロス・クライバー
演奏:ウイーン国立歌劇場管弦楽団
合唱:ウイーン国立歌劇場合唱団
流れ
元帥婦人マリア・テレーズは、若き伯爵の17歳の美青年 オクタヴィアンと不倫の仲。お互いに夢中。
オックス男爵がファニナルの娘 ソフィーと婚約し、オックス男爵がソフィーに「銀の薔薇」を贈ることになり、マリア・テレーズのアドバイスでオクタヴィアンが届けることになる。
オクトヴィアンが「銀の薔薇」を携えて、ファニナル家を訪れ、オックス男爵の婚約者であるファニナルの娘 ソフィーに初めて会い薔薇を手渡す。このとき若き美青年 オクトヴィアンはソフィーに会った瞬間、気持ちを惹くものがあり恋の予感がした。
ソフィーはオックス男爵の粗野な下品な振る舞いに嫌気が差し、婚約を破棄したいと考える。
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最後はマリア・テレーズも50歳過ぎ(と私は思ってみていた)という年齢から、不倫の中の若き美青年の17歳の伯爵 オクトヴィアンを自分にいつまでも留めておけないと悟る。
オクトヴィアンとソフィー、マリア・テレーズがいる場面で、3人はそれぞれの複雑な思いを歌いあう。歌っているうちにオクトヴィアンとソフィーの心が結び合い、それを感じた元帥婦人マリア・テレーズは、自分の不倫相手であったオクトヴィアンのこれからの幸せを考えてその場を去っていく。
オクトヴィアンは、今までの不倫の相手であったマリア・テレーズとの思い出が消えずに悩む一方、若い魅力的なソフィーにも心が動くが、マリア・テレーズが去っていったためソフィーに移る。
若い恋人であったオクトヴィアンから身を引くという大人の女性マリア・テレーズの気高い諦観が、見る人の心をゆする。
わたしの印象
* 薔薇の騎士を演じる17歳の美青年伯爵 オクトヴィアンを演じる女性のアンネ・ソフィー・フォン・オッターは、魅惑的な男性を演じきり、素晴らしいオペラ歌手だと思う。
* ストーリーの元帥婦人マリア・テレーズが、何時までも自分の年齢に相応しくない若いオクトヴィアンを、オクトヴィアンの心を動かしたソフィーに譲って身を引くという気高い潔さが素敵だ。
* 全編を流れるシュトラウスの曲が、素養の無いわたしにも心地よく感じられる3時間。
* 指揮者のカルロス・クライバーがまた「すばらしい」と言うしかわたしは表現方法を知らないが、彼によってこのオペラの完成度を高めていると思う。
* ドイツ人の作曲家・シュトラウス、ドイツ語圏のオーストリア、オペラの本場ウイーンの国立歌劇場での作品ということで、最高の組み合わせ。
* 当然ドイツ語でオペラの歌を歌うのだが、ドイツ語とはオペラにこんなにピッタリ合うのかと、改めて思いを強くした。
(参考)
歌劇 「魔笛」
http://www.haruhino.com/archives/50729757.html
歌劇 「リゴレット」
http://www.haruhino.com/archives/50635096.html
歌劇 「トラヴィアータ」(椿姫)
http://www.haruhino.com/archives/50603283.html
歌劇 「仮面舞踏会」
http://www.haruhino.com/archives/50545916.html
歌劇 「タンホイザー」
http://www.haruhino.com/archives/50482824.html
歌劇 「白鳥の騎士:ローエングリン」
やまざる
川崎市黒川(当時の住所表示)の農家に生れる。
来世も菩提寺である黒川の西光寺で、永遠の眠りにつく。
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