2006年10月16日

過ぎたるは及ばざるが如し

アニメ悲しいこの世には、程度というものがある。”

ほどほどに”という言い方もある。これを越えると、“過ぎたるは及ばざるが如し”という言葉や、”覆水盆に返らず“と、戒めの言葉がある。

今年の秋の畑仕事で、大失敗をしでかしてしまった。


暮れから正月にかけて収穫を楽しみにしていた「白菜」「大根」が、全滅してしまったのだ。

理由は簡単で、虫がついたので農薬を散布したのだが、強くかけすぎたために枯れてしまったのだ。

 

農薬は一般では手に入らないもので、印鑑と氏名・住所を申告し農協で販売される劇薬「ランネート」だ。この農薬を使って虫を徹底的に殺そうと、やや指示された量より多くの薬品を使い水で薄めたものを散布したのだが、噴霧器の中に多量の「ランネート」が余ったので、今思えばよせばよいものを、ご丁寧にもたっぷりと薬品が野菜の葉から滴るほどにかけたのだった。数日してから、葉がしおれ、すべて枯れてしまった。

白菜や大根に対して農薬「ランネート」の選択は間違っていないのだが、適用する量(回数)を間違えて多くかけてしまったのだ。

 

にらの花と蜂枯れたことを確認してから直ぐに大根や野沢菜は改めて種を蒔きなおしたが、冬の寒さが本格化する前に一定の成長が見込めるか心配だ。白菜は今年はあきらめた。

 

 (写真:にらの花と蜂)

 

先輩の農家のおじさんに話せば「お前だけではないよ!みんな同じ経験をして、学習するのだ。よく分かったろうよ。」と慰められた。「種から生れた野菜はまだ赤ちゃんで、体力が無い弱い存在なのに、成長した野菜と同様に同量の農薬をかけたり、強く何回もかけたら弱ってしまい、枯れるのは当然だ。」と諭された。

定年後の百姓見習いは、学ぶことが多いものだ。

 

しかし農家の作る露地栽培野菜は、1年の気候にあわせて種蒔きを行っており、厳密には種をまくのに最適な期間は、1週間とか10日間という狭い期間でありそれを見逃せば、高収量を見込めず成長も望めないという厳しい現実がある。

 

一年の間に一回だけのチャンスしかない季節野菜は、その年に失敗すると次の機会は来年ということになる。認知症の初期であると認識している自分は、この経験した貴重な知識を果たして来年まで記憶しておくことができるだろうか・・・心配だ。

(追記)

白菜は時機を失したら難しいが、大根類は直ぐに種の蒔き直しを行った。蒔き直した種は順調に発芽し、14日の夕食には間引きした大根の葉のお浸しを作って食べた。