「第二次世界大戦中の戦時下、乏しい食糧事情の中で日本人は何を食べて糊口をしのいでいたのか?」と、ドイツ駐在中にドイツ人から聞かれた質問である。わたしは、わたしの料理の十八番の一つである『「スイトン」が、日本人が食べていた戦時下の代表的な料理である』と答えて、具体的な調理法を彼に教えた。
「第二次世界大戦中の戦時下、乏しい食糧事情の中で日本人は何を食べて糊口をしのいでいたのか?」と、ドイツ駐在中にドイツ人から聞かれた質問である。わたしは、わたしの料理の十八番の一つである『「スイトン」が、日本人が食べていた戦時下の代表的な料理である』と答えて、具体的な調理法を彼に教えた。
逆にわたしは、「ドイツ人は何を食べて生き抜いたのか?」と聞くと、彼の答えは「Kartoffen puffe(独語:カルトッフェン プッファ)だった。」
Kartoffen puffeとは、ドイツ版「ジャガイモのおやき」のことだった。ドイツでも戦時下では食料事情がよくなかったので、一般的に手に入るジャガイモと、油、塩だけで作って食べていたとのこと。
ドイツ人の彼が教えてくれたその作り方を、レビューしてみよう。
彼いわくKartoffen puffeにも、グレードが3段階あるとのこと。
**一番シンプルなKartoffen puffeの作り方**
<材料>
ジャガイモ 適宜(一人1―2個)(銘柄は何でもよい)
塩 適宜
胡椒 適宜
サラダ油 鍋の底に1cmもあれば充分
<作り方>
1.ジャガイモをよく洗い、皮を剥いておく。それをおろし器を使って、ボールにすりおろす。
2.新しいジャガイモだと水分が多いので、水分を適当に絞る。
3.そこに塩と胡椒をふりかけ、よく混ぜる。
4.鍋(フライパン)に油をいれ火にかける。(油がはねてキッチンを汚すので、私はスープを煮込む深い寸胴鍋を使う。)
5. 鍋にお玉などを使い、3をそうっと入れて、厚さ5−7mmぐらいの丸い煎餅の形にする。油とジャガイモの水分が反応して、勢い良く油が周囲に散るので注意する。
6.ジャガイモに含まれるでんぷんが固化して、固まってきたら裏返して反対の面も焼く。
7.ほど良く固まり、こげ色がついたら完成。
<食べ方>
熱いうちに、ふうふうといいながら食べると美味しい。
**やや高級品のKartoffen puffeの作り方**
<材料と作り方>
上記材料に、タマネギを追加し、そのみじん切りしたものを、混ぜ合わして焼く。
タマネギが入ることにより、食感がよくなり美味しさが増す。
**最高級品のKartoffen puffeの作り方**
<材料と作り方>
上記材料に、ハム・ソーセージ・ベーコンなどの肉製品のみじん切りを加えて混ぜ合わせて焼く。すなわち、ハム・ソーセージ・ベーコンなどの肉製品、タマネギのみじん切りをすりおろしたジャガイモに混ぜて、塩と胡椒(ブラックが良い)を加えて作る。
これは肉製品が入る贅沢なKartoffen puffeなので、多分ドイツでも戦時下では食べなかったのではないかと思う。
ドイツでは12月のクリスマスマーケットに行くと、どこでもこれを作って売る露店があり、これを食べるのがドイツ人の楽しみというところか。日本人には理解できないが、熱々のKartoffen puffeに、これまた名物のリンゴを使った甘いジャムをたっぷり載せて食べている。露店の人もリンゴジャムを乗せるかと聞いてくる。
そしてもう一つ、リンゴを使った甘いワインを温めた「Apfel wein(アッフェルワイン)」もクリスマスマーケットで売られていて、これを飲みながら、リンゴジャムがたくさん載ったKartoffen puffeを食べるのが風物詩だ。「郷に入ったら郷に従え」で、零下以下の寒いドイツへクリスマスシーズンに旅行されたら、この二つを是非経験してください。レストランのメニューには、ありません。
話は飛んだが、日本でもこども達がお腹をすかしたときに、コンビニへ食べ物を買いに行かせる前に、食品添加物ゼロの このKartoffen puffeを作って食べさせてあげたらどうだろうか。油を使うが簡単に美味しいおやつの出来上がり、男でもできる料理なり。
材料のジャガイモやタマネギは年間を通していつでも、どこでも手に入る。
北海道の富良野地方へ旅行した時も、観光地の露店で北海道産のジャガイモ キタアカリを使ったKartoffen puffeが「芋もち」と称して売られていた。
やまざる
川崎市黒川(当時の住所表示)の農家に生れる。
来世も菩提寺である黒川の西光寺で、永遠の眠りにつく。
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