日本で初めての老人ホームといわれている特別養護老人ホーム「浜松十字の園」(開設昭和36年)の職員が代弁した「認知症高齢者の声」をご紹介します。老いは誰もが避けて通れない道、老いに伴い認知症も待っている老後。あなたのご両親も、そしてあなたも、最近は働き盛りのシニアも認知症に苦しんでいる。
日本で初めての老人ホームといわれている特別養護老人ホーム「浜松十字の園」(開設昭和36年)の職員が代弁した「認知症高齢者の声」をご紹介します。老いは誰もが避けて通れない道、老いに伴い認知症も待っている老後。あなたのご両親も、そしてあなたも、最近は働き盛りのシニアも認知症に苦しんでいる。
『私たちからのお願い!!こんな気持ちをわかってください』
住み慣れた場所とは程遠い場所。知っている顔のないところでの生活。
「ここが部屋ですよ」と言うのに、私以外の人が寝ている。
目的がなくて歩き回っているように見えるかもしれませんが、違うのです。
ただ自分の居場所がなくて、自分がどこにいるのかわからないのです。
ただ不安で、不安で、イライラしてしまうことがあるのです。
どこかに行きたくてもその術がわからず、人間関係もうまくいきません。
ご飯を食べたくない日もあるし、眠れない日もある。
自分の前にあるものが気になって、手にとって見たくなるときもある。
上手く歩けなくても、車椅子でも、少し動きたいときもある。
そんな時は、じっとそばで見ていて欲しい。
決して大きな声で「何やっているの!!」とか「だめー!!」とか、
わたしの気持ちも知らないで言わないでください。
私にも青春時代があり、輝いていた時がありました。
私の自信や自慢につながるような努力や苦労がありました。
そんな時代があったことも知らず、今の私だけを見ないでください。
家族が面会に来ても名前を忘れてしまっていたり、
顔がわからなかったりする時があります。
そんな時は、そっと耳元で名前を教えてください。
忘れてしまっていることを知っているのに、
「この方どなた??」などと意地悪をするのは止めてください。
どうかお願いです。私の歩んできた道、性格、趣味、病気、症状、
いろいろな事、いろいろな私を理解してください。
「こうして欲しい」とお願いすることを、ワガママと思わないでください。
私は、買い物も一人でできないのですから。
医療スタッフ・ケアスタッフ・家族、私を支えてくれる人たちが、
同じ意識で、同じ方向を向いてケアしてくれると、とても幸せです。
幸せと感じたら、
徘徊(はいかい)も妄想も幻覚も不安もみんな消えて、イライラすることもなくなり、
皆さんを困らせることが少なくなるかもしれません。
ただ忘れないでください。私も 同じ 人間です!!
(出典:「
高齢者福祉委員会 「浜松十字の園」視察研修報告 平成17年度報告書)
やまざる
川崎市黒川(当時の住所表示)の農家に生れる。
来世も菩提寺である黒川の西光寺で、永遠の眠りにつく。
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