2006年08月02日

ドイツのビール純粋令

アニメドイツの旗ドイツのビールは旨い。くせが無くスーと飲める。ドイツ人が職場のロッカーにビールを置いておき、喉が乾いたら飲むというのも分かる。何故、ドイツのビールが旨いのか?


ビールの本場ドイツでは、ビールをつくる際に厳格な法律「ビール純粋令」があります。1516年ドイツのヴィルヘルム4世によって「ビール純粋令」という法律が発令されました。

 

これは「ビールは、大麦(ビール麦)、ホップ、酵母、水のみを原料とすべし」というもので、現在でもドイツでは国内で製造されるビールについては、この法律が厳格に守られています。悪質なビール業者がいろいろな添加物を入れて質の悪いビールを製造するのを禁止するものです。ドイツの人たちにとって大切なビールの品質を守る厳格な条例であり、さすがビールの国です。

 

アニメビールとソーセージドイツに輸出する際にも麦芽100%でなければ、ビールとして認めてもらえず輸出できません。

 

ドイツは、この法律によって本物のビール造りを守り、国の文化として育ててきました。ドイツはビール発祥の地ではありませんがビールの本場として世界に知られるようになったのです。ビール発祥の地は、チェコスロバキアのピルスナー地方であるとわたしは記憶しています。

 

ドイツにある日本レストランで、日本のキリン麦酒やアサヒビールを飲むことができますがこれらは、ドイツ向けに特注で作った「ビール純粋令」仕様の製品をわざわざ作って日本から輸出しているものです。また隣国のオランダのビール「ハイネケンビール」も、ドイツ向けに特別に作ったビールが輸出されていました。

 

ドイツビールは、純粋令のため日本のビールのように「コーンスターチ」などは一切入っておらず、ドイツの100種類以上あるソーセージと100種類以上あるジャガイモを用いたポテトフライがあれば何杯でも美味しいドイツビールを楽しむことができます。

 

日本の政令は米、トウモロコシ、コウリャン、ジャガイモ、デンプン、糖類等をビールの副原料として認めています。一般に、これらのうち米やトウモロコシのデンプンを精製したコーンスターチが、副原料としてビールに入っています。副原料の使用量は麦芽の半量とされています。

 

日本ではサントリーが発売している「モルツビール」が、この純粋令に合致した不純物の入っていない 大麦(ビール麦)、ホップ、酵母、水だけで作ったビールです。

 

ドイツで飲む ドイツ人のマイスターが頑なな製法で作ったビールは、日本のビールと異なり 純粋令を守って作られているため、とても美味しいです。ビール一つとっても、ドイツ人の品質へのこだわりが嬉しいです。

 

(この余談は、今から20年前の西ドイツのお話と理解して下さい。)

 

(念のためドイツ大使館、駐日ドイツ農産物振興会に、ドイツのビール純粋令の現在を確認した所、ドイツ国内で生産されるドイツビールは現在においても少しも変わりなくビール純粋令に基づいて生産・販売されているとのことでした。この条例は、欧州連合(EU)によりビールがドイツの「伝統を残すべき食品」として認められているためです。

ドイツに行かれましたら、間違ってもハイネケンやバドワイザーのビールでなく、ドイツ産の純粋なビールの味をお試し下さい。)