2006年06月05日

歌劇「トラヴィアータ」(椿姫)

ジュゼッペ・ヴェルディ作曲の歌劇「トラヴィアータ(La traviata)」(椿姫)をビデオ鑑賞した。指揮はかの有名な「ズービンメータ」。ヴェルディ(東京ヴェルディではない)の生まれたイタリアのローマ放送交響楽団が演奏。言語はイタリア語。これほど贅沢な組み合わせのオペラを鑑賞するという最高の贅沢。


世界のトップクラスのこれこそ本当の贅沢。

映画「ダヴィンチコード」も見てはいないので論評は出来ないが、やはり長い時間をかいくぐって世界の人から愛されてきたヴェルディの作品だけに、さすがに見応えがある。

 

解説書によれば、歌劇「トラヴィアータ(La traviata)」(椿姫)とは、「道を踏み外した女」という意味とか。

豪華絢爛で、甘く情熱的なメロディ満載の純愛悲恋ものということで、オペラの代名詞のようになっている超人気作。パリの売れっ子の高級娼婦の悲恋物語。

 

約2時間の作品を席も立たず、しわぶき一つせずにオペラの展開に全神経を集中させられた。この歳になれば雑念が入って「ホンとかいな?そんな馬鹿な!」などと皮肉なものの見方をする場合が多いが、この作品はヴェルディの甘いメロディがそうさせるのか、ストーリーの展開に目が離せず、素直に食い入るように見つめていた。

 

歌うおじさんアニメヴィオレッタ」(作品の主人公の若き娼婦)とパリに遊学に来ていた青年「アルフレード」が初めて出合った華やかなパーティで、「アルフレード」が熱烈な愛の告白をし二人が恋に落ちる。「この次はいつ会えるのか?」という「アルフレード」の言葉に、「ヴィオレッタ」は胸に飾っていた椿の花を渡し、「この花がしおれたらまた会いましょう」と応える。気障(きざ)だと思うが極めて自然な対応に、ヴェルディの真髄をみる。

 

今回の作品の感想は全員が、素晴らしさに感動したと言っていた。歌劇で使われた音楽は、登場人物の心の動き、感情表現に重きが置かれているといわれるが、まさにそのとおりで、その場にぴったりのメロディにいやがうえにも、ストーリーに引き込まれていく自分を発見する。

 

そっと隣に座っていたご婦人を見ると、目から溢れる涙が流れていて必死にハンカチで目頭を押さえながら鑑賞しているのを見て、「ヴィオレッタ」について人は娼婦というが一人の純粋な気持ちを持った優しい心の持ち主、思いやりのある女性の悲しい定めに、そのご婦人の心を捉えていて主人公になりきっていたに違いない。素晴らしい大人の純愛作品、悲恋作品で、見る人の心を奪うヴェルディの働きかけに感動しているに違いない。

 

作品の発表された1853年といえば、日本ではまだ江戸時代の後期。華やかな社交界で夜な夜なパーティがあったという設定であるが、日本はまだお侍の時代だったのだ。

 

それにしてもヴェルディの作品は見応えがあり、親しまれるものが多いと思う。

 

ジュゼッペ・フォルトゥニーノ・フランチェスコ・ヴェルディ

Giuseppe Fortunino Francesco Verdi, 18131010 - 1901127日)はイタリアオペラにおける偉大な作曲家の一人。『セビリアの理髪師の序曲』、『リゴレット』、『トラヴィアータ』(『椿姫』)、『シモン・ボッカネグラ』、『アイーダ』、『オテロ』、『仮面舞踏会』等の作品。

 

<参考>

 

  歌劇 「薔薇の騎士」

  http://www.haruhino.com/archives/50749804.html

  

  歌劇 「魔笛」  

  http://www.haruhino.com/archives/50729757.html

 

  歌劇 「トラヴィアータ」(椿姫) 

  http://www.haruhino.com/archives/50603283.html 

 

  歌劇 「仮面舞踏会」

  http://www.haruhino.com/archives/50545916.html

 

  歌劇 「タンホイザー」

  http://www.haruhino.com/archives/50482824.html

 

  歌劇 「白鳥の騎士:ローエングリン」

  http://www.haruhino.com/archives/50592166.html