2006年05月28日

歌劇「白鳥の騎士:ローエングリン」

今月のヴィデオによるオペラ鑑賞は、ドイツ ワーグナーの傑作「ローエングリン Lohengrin。上演時間が3時間40分という長作。白鳥の騎士のイメージがぴったりの、崇高で美しい響きが感動を誘う「ロマン的なオペラ」


三遊亭円楽さんから桂歌丸さんに司会がバトンタッチした「笑点」も捨てがたい番組だが、たまには世界中の人々が、長い時間のフィルターを通してファンを楽しませてきた古典的なオペラも捨てがたい。

 

ドイツ人の作曲家リチャード ワーグナーの 3時間40分もの長い間 隙もなく視聴者の関心を惹きつけて離さない展開で進行するオペラの傑作で、初演は1850年。

 

歌うおじさんアニメ役柄は、白鳥の騎士 ローエングリン、ドイツの国王 ハインリッヒ、ドイツの地方都市ブラバンドの公爵の娘 エルザ、ブラバンドの領主になることを企む貴族 テルラムント、テルラムントを影で操る妻のオルトラート、ドイツ王の伝令のわずか6人のみ(歌わない王子もいるが)で、人間の欲、奇跡、悲恋を息もつかせず見事に描ききる。

 

白鳥の騎士 ローエングリンは、最後の場面でブラバンドの王子 ゴットフリートが白鳥の小船という魔法にかけられていたのを解き、消えていく。

 

ストーリーの展開にあわせて当然のことだが、その場にぴったりのメトロポリタン歌劇場管弦楽団の素晴らしい演奏、特に金管楽器の迫力ある演奏は心に響く。また合唱団のドイツ語での歌も素晴らしい。

 

舞台設定も華やかさはなく、どちらかというと中世のドイツらしいモノトーンのステージは、見ている人の脳の思考を促進させ 雰囲気を盛り上げるのにふさわしい。丸太の木材で作られた河畔の船着場、無機質な石の城壁等。

 

モノトーンの背景で、6人のオペラ歌手が人間の心の動きを巧みに歌い上げて、観客を飽かせずに最初から最後まで惹きつけて、息をもつかせないストーリーと作曲をしたワーグナーは、一体どんな人だったのだろう?どのような人生を歩んだのだろうか?

 

ワーグナーの最高傑作オペラ「タンホイザー」も今年の3月に鑑賞したが、それに負けず劣らずの素晴らしい作品だと思う。

 

それにしてもわたしがドイツで働いていた昔、職場に素敵な「ワーグナー」という名のドイツ人のおばさん(人妻)がいたので、そのときのことを思いだして 少しばかりワーグナーのオペラに親しみを持てた。

 

ノイシュバンシュタインまたドイツへ旅行された方で、オーストリアの国境に近いバイエルンにある 美しいお城「ノイシュヴァンシュタイン城」へ行かれた方が多いと思います。これはドイツ語で「新しい白鳥の城」という意味です。

 

バイエルン王国の皇太子ルートヴィヒ2世は、1864年に王位に就くと、ワーグナーを招聘し、ワーグナーの負債のすべてを肩代わりするとともに、高額の援助金を支給したそうな。 さらに多額の国費を投じて建設した城の名前に、大好きであったワーグナーの「白鳥の騎士 ローエングリン」にちなんで「新しい白鳥の城 ノイシュヴァンシュタイン城」と命名。城の中には白鳥の間があり、そこの壁画のモチーフはローエングリンだそうです。

 

余談ですが、シュヴァン(白鳥)と発音する所を、シュヴァインと言うとこれは「豚」という意味になりますので気をつけて下さい。(「新しい白豚の城?」)(わたしも良く間違えて、笑われました。)

 

(参考)

  

(参考)

  歌劇 「リゴレット」

  http://haruhino.livedoor.biz/archives/50635096.html

  

  歌劇 「仮面舞踏会」

  http://haruhino.livedoor.biz/archives/50545916.html

 

  歌劇 「タンホイザー」

  http://haruhino.livedoor.biz/archives/50482824.html

 

  歌劇 「トラヴィアータ」(椿姫) 

  http://haruhino.livedoor.biz/archives/50603283.html