2006年05月02日

歌劇「仮面舞踏会」

最も信頼する部下の妻を愛したために----

イタリア・オペラの巨匠 ジュゼッペ・ヴェルディ(1813−1901)の歌劇作品の傑作「仮面舞踏会(Un ballo in maschera)」を楽しんだ。


親しくしていただいている電機メーカー元社長であった方の家で、元音楽大学教授、ある混声合唱団の責任者の方々と、レーザーディスクのオペラを楽しんだ。

 

個人の落ち着く書斎で気のあった方々と、ビール、ウイスキー、ワインを片手に、のんびりと鑑賞。奥様の美味しくて品の良い・おしゃれで最高のお手製おつまみを味わい、お酒を潤滑油として、本場のライブ録画のオペラを楽しむ贅沢な時間が、嬉しい。大人の時間だ。

 

今回は、名前を聞くことがあるが視聴したのは初めての『仮面舞踏会』。メトロポリタン歌劇場バレエ団、合唱団、管弦楽団。指揮はジェイムズ・レヴァン。

 

歌うおじさんアニメ独身の総督と、忠実な秘書の部下、秘書の妻、占い師、総督の小姓、総督に恨みを持つ伯爵等の出演者達。

 

総督は部下である秘書の妻との不倫関係に生きがいを感じているが、秘書の妻は悩む。

ある時、秘書は妻が総督の不倫相手であることを知り、妻に罪を償うように求める。

しかし秘書は妻ではなく総督こそ裏切りであると考え、復讐を決意。

総督主催の華やかな仮面舞踏会に招待された仮想している秘書は、仮想している総督に剣の刃を突き刺す。総督は、息絶え絶えでありながらも、秘書の妻の潔白と自分に刃を向けた秘書に対して、寛大な許しを告げるという内容。

 

歌劇「仮面舞踏会」を通しヴェルディは、人間の罪に対して復讐や恨みで答えるのではなく、最後は「赦す」という『キリストの愛』を主題にしたのだろうと自分は考えた。

 

仮面舞踏会の主人公の総督は、スウェーデン国王グスタヴ三世(1746−1792)という実在人物をテーマにしたそうだ。

 

シェークスピア原作の悲劇「オセロー」を原作としたヴェルディの『オテッロ』も素晴らしいが、この「仮面舞踏会」も負けず劣らず素晴らしい作品だ。2時間もの上映時間の間、出演者の心の動きにいつの間にか自分が感情移入していることに気がつく。その夜は今まで余り使わなかった脳が活発に動いたせいか、体は疲れていなかったがなぜか疲れて早く床に就いた。

 

さて小泉首相は4月3日、トリノ冬季五輪で金メダルを獲得した荒川静香さんとオペラ「トゥーランド」を仲良く並んで鑑賞されて「やっぱり生で見るのはいいよね。」と喜んでおられました。(首相官邸発行 [小泉内閣メールマガジン 第229号4月6日)

 

わたしだって荒川さんと一緒にオペラを見る機会を秘書が組んでくれれば、他のあらゆる予定・行事をキャンセルしてでも荒川さんと並んで鑑賞するのですが!

 

仕方がない、明日はトランジスターラジオを腰に巻きつけ、浪花節でも聴きながら畑で草むしりをするとしよう!!86歳の老母と並んで草むしりをしよう。

 

 

(参考)

  歌劇 「タンホイザー」

  http://haruhino.livedoor.biz/archives/50482824.html

 

  歌劇 「白馬の騎士:ローエングリン」

  http://haruhino.livedoor.biz/archives/50592166.html

 

  歌劇 「トラヴィアータ(椿姫)」

  http://haruhino.livedoor.biz/archives/50603283.html