2006年04月29日

江戸時代の農民のくらし(2)

いろいろな規則

鳩のアニメ五人組のこと、切支丹のこと、衣食住のことなど数十ヶ条にわたり、微にいり、細にわたりつくりました。これを下々まで徹底するため、正月・五月・七月・九月・十一月の年四回、村中大小の百姓を集めて、納得のいくように申し聞かせました。そのうちの数ヶ条を記してみます。


 

一、五人組は町では家の並びで、村では隣近所で、五軒づつ組み合わせると、子どもや使用人、土地や店を借りている者でも、悪いことをしないようによく見守り、もし悪いことをした者が自分から申し出ない時は訴え出ること。

 

一、毎年三月までに宗門帳を出すこと、家族の中に決まりにそむいた者があったらすぐ申し出ること、切支丹については、高札のきまりを守ること、宗門帳のすべての人を良く調べること、もし切支丹にかかわった者があった時は寺の身元引受書の別紙に書いておくこと。

 

一、農民の衣類は立派な着物を着てはならない。名主は絹のツムギの布に木綿を妻子と共に着ること。一般の農民はみな木綿より外は着てはいけない。シュス・シャ・綾・チリメンの類は襟や帯などに使ってはならない。しかし一般の農民でも行いのよいものは手代まで断りに行き、指図を受けて絹のツムギを着ても良い。

付 男女共に乗物は、戦馬に乗ってはいけない。そして家をつくるときは、ぜいたくな目立つ建築をしてはいけない。

 

一、農民は田畑を子孫に分配する時、一人に以前の石高五石より少なく分けてはいけない。石高の少ない農民は子孫に分けてはいけない。もし子細あって分配する時は、指図を受けること、新しい農民があれば速やかに届け出ること、遺産相続は生存中に名主・組頭立会い、書面で残し、後は相違ないように心がけること。

 

一、 婿入り、嫁取りの祝いはぜいたくにしてはならない。大勢集めて大酒を飲んではいけない。改築の祝い、新築の披露、初産の祝いなど不相応な祝いをすれば取りやめさせる。軽くやること、また葬式の時の酒は一切やめること。

 

  (出典:「ふるさとは語るー柿生・岡上のあゆみー」柿生郷土史刊行会)

 

  私の家も、れっきとした黒川の農家として 生業(なりわい)をたててきました。

  ここに著わされている 江戸時代の農家に対するいろいろな規則は、今にまで引き継がれているような考えがあるようです。

 「質素に暮らす」というのは、その代表例でしょう。