2006年03月01日

ほっくりばあさん

 

数十年前であれば、黒川の春の里山に入るとどこにでも咲いていた「ほっくりばあさん」。

 

syunnrann0これは日本に自生する蘭の一種。

ラン科の常緑多年草で「シュンラン」(春蘭)を指します。

黒川も開発が進み、里山がつぎつぎと姿を消した今、山に入ってもなかなか「ほっくりばあさん」に出会える機会は無くなりました。

 


 

この素朴な花を、なぜ「ほっくり婆さん」と呼ぶのでしょうか?

 

シュンラン1

 

 

花の咲いている姿が、何となく背中の曲がったおじいさん、おばあさんに似ているところからそのように呼ばれてきました。

 

 

 

 

シュンラン2

 

昔の子どもたちが「おじいさん、おばあさん」と祖父母を慕ったように、この素朴な花に対して親しみを込めて「ほっくりばあさん」と呼び、黒川の人はやさしく見守ってきました。

 

                     (写真:季節の花