朝8時10分からのNHK BS2 の「毎日モーツァルト」に思いがけなく海老澤 敏先生が出演されて、モーツァルト14歳の時に、イタリア ボローニャへ演奏旅行に行ったことを解説されている番組を拝見しました。
その後、10時半から新百合21ビルでの かわさき市民アカデミー 「モーツァルトの旅あまた(その2)」の今期の最終講座で、海老澤先生の肉声による講義を受講しました。
当日の講義は海老澤先生からわたし達に、素晴らしいプレゼントが用意されていました。
それは海老澤先生の奥様でいらっしゃるピアニスト 小川京子先生のピアノコンサートでした。
新百合21ビル地下大ホールのステージにグランドピアノが置かれ、海老澤先生の穏やかな優しいモーツァルトの解説の合間に、奥様の小川先生によるピアノコンサートです。
演目は、
1)W.A.モーツァルト:ピアノ・ソナタ 変ロ長調 K.333
2)W.A.モーツァルト:J.P デュポールのメヌエットの主題による9つの変奏曲 ニ長調 K.573
3)W.A.モーツァルト:ピアノのための小ジーグ ト長調 K.574
4)ヨハン・ヴィルヘルム・ヘースラー(1747-1822):ピアノのためのジーグ ニ長調
5)W.A.モーツァルト:ピアノ・ソナタ ニ長調 K.576
シーンと静まり返った しわぶき一つ無い会場。
魔物のように激しく、強く、柔らかく縦横無尽に動く小川先生の指と手が奏でるモーツァルトのピアノソナタに、私は身震いがしました。
これが最高の演奏者によるピアノ演奏なのだ。
CDやDVDのように編集されていない演奏、わたし達の目の前で譜面を見ることなく小川先生が いま演奏されているのです。
聞きなれた演歌とはまったく違うところで私の脳ミソは、大変心地よく感じて震えています。音楽の素養のない私のようなガサツな人間でも、とても気持ちが安らぎます。
小川京子先生は、東京藝術大学を卒業後、ヴィーン国立音楽アカデミーに留学。故ブルーノ・ザイドルホーファー教授に師事。帰国以来 数多くのリサイタルをはじめ、オトマール・スィトナー指揮ベルリン国立歌劇場管弦楽団とのモーツァルトのピアノ協奏曲の共演、ベルリン放送交響楽団とのルードヴィヒ・シュッテのピアノ協奏曲の世界初録音、NHK交響楽団とのフランツ・クサーヴァー・モーツァルトのピアノ協奏曲の日本初演など、国内外で多彩な活動を続けています。桐朋学園大学音楽学部名誉教授。
ボローニャ王立音楽アカデミーより、東洋人の女性で初めて名誉会員に推挙されました。
勿論、今朝のNHK BS2で海老澤先生は、『弱冠14歳のモーツァルトがボローニャ王立音楽アカデミーの会員試験に合格した』と解説がありました。当然 海老澤先生はボローニャ王立音楽アカデミーの会員です。
当日は何か豊かな得をしたような気持ちになり、新百合駅前で、思いがけず愚妻にケーキを買って家路につきました。
小雨が降る日でしたが、大人になったような浮き浮き気分の一日でした。
最後に、今回もまたモーツァルトのことで申し訳ありません。お許し下さい!
(余談)
ふと、演目の4番 「ヨハン・ヴィルヘルム・ヘースラー」という名前を見て、遠藤周作のようないたづら心が湧いてきました。
「夜半・ヴィルヘルム・屁すらー」すなわち、「ヴィルヘルムおじさんが、夜中に、屁をすらー」という不謹慎な連想が浮かんできたのです。これも私の人格の問題でしょう。
かって狐狸庵(こりあん)と称し、玉川学園に住んでいた遠藤周作は、「美空ひばり」のことを 「美空いばり」と言っていましたが!(いばり:小便のこと)
やまざる
川崎市黒川(当時の住所表示)の農家に生れる。
来世も菩提寺である黒川の西光寺で、永遠の眠りにつく。
このBlogを チェッカーズに追加 |
このBlogを リーダーに追加 |