2006年01月24日

麻生不動の「だるま市」

 

だるま市1

わたし達の麻生区には、およそ150年以上前から続く 有名な麻生不動(あさおふどう)がありそこの「だるま市」が、今年も1月28日に開かれます。

わたし達も ぜひ時間を作ってお不動様をお参りし、ご利益をお願いされたら如何ですか。


 

不動尊は昔から「火伏せの不動」と言われ、火難から人を守るとされる川崎市麻生区下麻生の麻生不動院では1月28日、「だるま市」が開かれます。関東で最後の「納めのだるま市」として大変賑わい、「火伏せのお札(ふだ)」「文久銭(火伏せの利益がある)」「だるま」を買う多くの人々が訪れます。 

 

だるま市2

麻生不動で売られているだるまは、「相州目無しだるま」と呼ばれ、平塚方面からのものです。

 

周辺の参道には「だるま」を始め、植木やおもちゃ、食べ物などを売る約500店もの露店商が集まり、毎年4万人以上の人出があるため、ラッシュアワーのような混雑で、普段静かな住宅地は終日にぎやかな売り声が響きます。

 

下麻生不動院 044(966)5135

川崎市麻生区下麻生809

 

【交通機関】

 小田急小田原線・多摩線「新百合ヶ丘」駅よりバス15分「大谷」下車徒歩8分

 小田急小田原線「柿生(かきお)」駅よりバス10分「麻生不動入口」徒歩5分

 

以下に「川崎市柿生中学校考古学研究部」が取り纏めた麻生不動に関する研究成果の一部の抜粋を掲載しますので、参考にしてください。大変よく纏まっています。

 

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麻生不動について 

明王山不動院般若坊という。別名  木賊(トクサ)不動ともいう。

縁起によると,鎌倉覚園寺開山・開基・願行上人が不動尊三体を作り,一体は自坊に,他の二体を相模の大山(雨降山)と武州麻生郷不動院に安置したといいます。 嘉永4年(1851)に僧了円が再興につとめ,柿生の王禅寺の管理下になって一層繁栄し,1月28日の不動の日には,北は津久井郡城山から,南は東海道川崎宿からも参詣にきたといいます。

 

本堂左手の祠には,本尊にちなんだ大きな不動様の石像があり,「南無木賊不動明王 寛保2年7月11日」(1742)と刻まれ,祠の前にはトクサが植えてあります。                                     

 

麻生不動の御利益は「火伏せの神」

不動の縁日は1月28日です。参詣者は,火伏せの利益のあるという銭(文久銭)をいただいて帰り,それをいろりの自在鉤にかけておくと,子供が炉に落ちない,また,火事にもならないとされています。1年間無事に過ごせた時は,昨年いただいた穴あき銭(文久銭)にお礼のお金をそえて返し,新しい火伏せの銭をいただきます。この風俗は,囲炉裏のなくなった現在もつづけられています。

 

木賊不動(とくさふどう)ともいわれた訳は?

伝説では,昔,ある村人が木賊ヶ原でトクサを刈っていると,八寸程の不動尊が見つかった。これが麻生不動の本尊で,良弁作といい,以来木賊不動の名がつき,火伏せの神とされています。

 (注1.)木賊ーとくさ科の常緑多年生植物。茎は直立していて,30cm−1mで円筒形。中はからで,堅くてざらつき,物をみがくのに用いる。

 (注2.)とくさヶ原ー昔,亀井城から不動院にかけてとくさヶ原といって,とくさがたくさん生えていた。

 

麻生不動が下麻生にあって,王禅寺の所有になっている訳は?

むかし,柿生村は貧乏でした。自分の家の生活も自給自足で,それでも生活は苦しかったそうです。そんな時期だけに,寺・神社・不動院の維持には大変でした。 本来下麻生にある不動院が王禅寺のものになったのは,不動院を下麻生が管理・維持ができなくなって,山二山・酒一升をもって王禅寺に維持・管理をお願いしたためだそうです。

 

参考:http://kawa-k.vis.ne.jp/chiikisi.htm

 

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今から50年前の柿生中学校の生徒だったとき、お不動様の日は学校が「半ドン」で午後の授業がありませんでした。その日の午後は、友達を誘い昼の弁当も食べずにそわそわとお不動様の雑踏へ、心を弾ませて行ったものでした。狭い道の両側にある露店では、カルメ焼きやイカげそ焼きなどの食欲をそそる匂いがたちこめていました。冬の寒さの中、刈り取った田んぼにテントを張った即席食堂では温かい「うどん」などが売られていました。

 

あの麻生不動の「だるま市」がかもし出す独特の雰囲気が忘れられず、また何かを求めて毎年多くの人が参拝に来られます。

 

ふるさとの思い出を創るため、麻生区民のあなたも一度は麻生不動の「だるま市」に行かれることをおすすめします。

そして我家の火難を防ぐために 麻生不動で「火伏せのお札(ふだ)」を求めご家庭の台所に貼られたらいかがですか?