2005年12月07日

古刹 西光寺 (川崎・黒川)(2)

西光寺6地蔵わたし達の街・黒川には、六百年以上にわたり連綿と続く古刹「曹洞宗 西光寺(サイコウジ)」があります。

 

西光寺の歴史的な文献に基づくいわれなどについて、やや詳しく考察いたしましょう。


s2新編武蔵風土記稿」の黒川村によると「開山は弧岩伊俊、開基は西庵雲長で文明元年(1469年)に寂す」と記されています。

京都ではその二年前の応仁元年に応仁の乱が起きています。

 

 

地方豪族や土豪の多くが庶民のため寺を建てたのもこの時期ですが、寺の北側に雲長の館跡と思われる「古屋敷」と言う地名が残っています。

寺はもともと九十八段の石段を登った高い所にありました。石段には「男坂」と「女坂」と呼ばれる2つがあり、男坂は急坂でまっすぐ本堂へ続くもの、女坂は「く」の字を描いて本堂へ続くものでした。ここに建てられた理由は、本道の裏に当たる北側には森(小高い山)があり、北からの冷たい冬の風を防ぐことができ、開けた南側からは暖かい空気が上昇し、冬、夏とも過ごしやすいからだといわれています。昭和四年(1929年)に鶴川街道沿いの今の場所に移されました。

 

黒川の開発による遺跡調査で、旧本堂跡地の北側より、黒川宮添(みやぞえ)遺跡と呼ばれる遺跡が発掘されると、平安期の地層より、寺の文字が入った土器が出土しました。これにより寺の歴史はさらにさかのぼることになりました。

 

本堂には、桃山時代の釈迦如来坐像(高さ26.7cmで、銅製の宝冠(かぶりもの)をつけており、宝冠釈迦像と呼ばれている)がご本尊として安置されています。

 

平成12年、本堂の天井に4.5m四方全面に墨だけで描かれた見事な龍の図―雲龍図―が完成しました。檀信徒の法事の時などにその素晴らしさに接することが出来ます。今にも飛んできそうな躍動感あふれる龍は、本堂の何処の場所にいても龍と目が会い、不思議な絵です。この雲龍図は12年毎の辰年に一般公開されます。一般の人は目にすることが難しいでしょう。

 

釈迦如来像を取り囲む形で、高さおよそ30cmの木造の十六羅漢像が安置されています。

 

境内にある石仏の一つである石薬師の座像は、市内ではただ一基、両手に薬壷を乗せています。太平洋戦争中には大島国民学校の疎開児童を受け入れたという歴史もあります。

 

(参考:「ふるさとは語る ----柿生・岡上のあゆみ---- 柿生郷土史刊行会」)

(参考:「ふるさとへ」 川崎市立栗木台小学校)

 

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西光寺の釈迦如来坐像

 

桃山時代の仏教彫刻で、麻生区内に残っているのは、万福寺会館の木造不動明王と童子像、西光寺(黒川)の釈迦如来坐像の三体です。西光寺の釈迦如来坐像は、高さ26.7cmで、銅製の宝冠(かぶりもの)をつけており、宝冠釈迦像と呼ばれています。

 

霊長山 西光寺は曹洞宗のお寺ですが、「風土記稿」には「開山は弧岩伊俊、開基は西庵雲長」と記されています。

 

明治二十一年の「黒川村地誌」によると、創建は寛政二年(1461年)二月です。

山号の雲長山は、西庵雲長の名からとったものでしょう。

 

昔は九十八段の石段を登った高い場所にあったそうです。昭和四年(1929年)現在の場所に移されました。

 

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境内の一隅には江戸時代前期、寛文八年(1668年)7月に造立された小さな薬師の石仏があります。両手の上に薬壷を載せている石薬師は珍しく、完全な形で保存されているのは市内ではこの一基だけだそうです。(麻生区の神社と寺院)

 

(参考:わがまち 麻生の歴史三十三話 高橋嘉彦著)

 

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武蔵風土記稿に記されている「西光寺」の記述を見てみますと、次の通りです。

 

新編武蔵風土記稿巻之八十六

西光寺 除地、村の中央にあり、禅宗曹洞派、片平村修廣寺の末山なり、雲長山と號す、開山弧岩伊俊、嘉吉三年十月十日、寂す開基は西庵雲長と云人なり、文明元年五月二十九日寂す、石段九十八級を登りて客殿を建、九間に六間半巽向なり、本尊は釈迦の像なり、村民の持傳へし古き水帳によれば、観音免と記してあり、其頃の本尊観音なりしが、いつの頃にか、釈迦の坐像長八寸ばかりなるを置、運慶の作なりと云、又今僧坊とて、石薬師を安せし庵を此邊に立置しを、後廃してかの薬師は當寺の客殿に安す、長一尺の坐像なり、

 

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わたし達の祖先を祭る西光寺は、檀家の人たちのみならず一般の人も是非参拝されて、日本人の心のふる里を確認してください。

 

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