2005年11月29日

忙中閑―いのちがけの酒

いのちがけ酒1


いのちがけ」というお酒をご存知ですか?
一般的には、めったに手に入らないお酒で その名前の通り
「いのちがけ」と言う言葉に納得がいきます。


いのちがけ酒1

私も今年はその「いのちがけ」を手にすることが出来ました。

いのちがけ」とは、今年の夏に多いに話題になったスズメバチの中で最も大きな生きた「オオスズメバチ」を、
度数の強い焼酎に漬け込んだもののことを意味します。
(新潟のある酒造メーカーの季節限定純米清酒にも、「いのちがけ」と言うのがありますが、ここで言うのとは中身が違います。)

地方によっては、ビンの中に数匹の「オオスズメバチ」が入っているものでも、
1万円以上し、数万円するものもあるそうです。

黒川の人たちは、「オオスズメバチ」のことを、
一般に
「オオクマンバチ」とも呼んでいます。

 

 

生きたオオスズメバチは、3cmから4cmもある大きな蜂で、
攻撃性が高く強い毒をもつ蜂です。
その蜂を生きたまま35度の焼酎に漬け込むもので、
1−2年後には心臓の血行をよくする働き、血行促進、若返りなどの効能があると言われています。
女性はお肌がつやつやするそうです。

 

いのちがけ酒2黒川にはオオスズメバチに特化して、
その蜂を採ることを趣味にしているベテランのグループがあり、
彼らから材料の生きた蜂を手に入れました。

 

彼らは目視で空を飛んでいる蜂を探し出し、
暗黒の夜にある技術で巣の中にいる蜂に強力なショックを与えて気絶させ、
女王蜂、働き蜂、子供蜂、幼虫の全てを蜂毎取り出します。

 

取り出した蜂の子は、その日のうちに油で炒め、醤油で味付けをしたり、
ナスや牛蒡とともに炒めて、おそばのかてにしたりして、その絶妙な美味しさを楽しみながら
お酒を酌んで鋭気を養います。
どんぶり一杯以上の蜂の子を仲間で分け合います。
成虫に近い大きな蜂の子は唐揚げにして、パリパリと酒のつまみにしています。

 

職業を持っているサラリーマン、専業農家などでグループが構成されていて 
蜂の子の本当の美味しさを子供の頃から知っている人たちで、小さな蜂には基本的には手を出さず
、プライドがあるため、人々から最も恐れられている「オオスズメバチ」に特化しています。

 

それこそ蜂を採るだけでも文字通り「命掛け」なので、経験の無い人や素人はメンバーになれません。

 

スズメバチ

 

また今年は、近所の農家の軒先に、
キイロスズメバチ」が直径40cmの巣を作っているのを見かけました。
主人いわく、蜂を温かい目で飼っている感覚で、
新鮮な刺身も与えているとのことでした。
蜂の習性をよく知りえた主人が、蜂と共生しているのです。

 

以下は、スズメバチの解説です。

 

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オオスズメバチ Vespa mandarinia japonica

 

体長25-45mmとスズメバチ類の中で最も大型のハチ。
女王蜂の中には50mmを超える個体も存在する。
以前は標準和名として『オオスズメバチ』の他に単に『スズメバチ』を用いることも多かった。
学名の中の種小名のmandariniaは、派手な警戒色を華麗な制服を着た清朝の官僚になぞらえたものである。

 

非常に強力な毒をもち、かつ攻撃性も高いことから最も注意が必要。
防衛行動は毒針によって刺したり毒液を水鉄砲のように噴出させるだけでなく、
毒針によって刺しながら強力な大顎で攻撃対象の皮膚を大きくえぐりとる行動も行うので
被攻撃者は大きな傷を負う。

 

日本の北海道から九州に分布しており、日本での南限は屋久島、種子島近辺。
土中、樹洞に巣を作る。働き蜂も巨大であり、筋肉の力は強大で、
他のハチ類や筋力の強い獲物との格闘戦や、大顎によって噛み砕く力は強力なものの、
飛翔時の敏捷性にはやや乏しい。

 

夏季に幼虫に与えられる餌は強力な大顎で噛み砕かなければ仕留めて肉団子にできないような
コガネムシ、カミキリムシといった大型の甲虫類、さらにはスズメガなどの
大型のイモムシ等であるが、これらの大型で装甲が頑丈だったり強力な筋力を持つ昆虫が減少し、
大量の雄蜂と新女王蜂を養育しなければならない秋口には攻撃性が非常に高まり、
スズメバチ類としては例外的に集団でミツバチやキイロスズメバチといった巨大なコロニーを
形成する社会性の蜂の巣を襲撃することで、この必要をまかなう。
これらのハチの働き蜂を攻撃して全滅、あるいは逃走させた後は、
殺戮した働き蜂の筋肉に富む胸部も幼虫の餌として巣に運ぶが、
こうした大量の死体は餌として処理しきれないうちに腐敗が始まり餌として適さなくなり、
同じ巣の働き蜂で占領した巣の中から時間をかけて大量の生きた蛹や幼虫を肉団子にしつつ運び出す。

 

スズメバチ類の中でも特に大型の巣を作り、スズメバチ属としては小型ながらも
おびただしい数の働き蜂を擁するキイロスズメバチの巣を襲撃した場合には
オオスズメバチにも多大な被害が出るが、コロニー自体が巨大なため、巣の占領に成功したときには、
その損害に見合う大量の幼虫や蛹を獲物として収穫できる。
しかし他のスズメバチに比べて外骨格の装甲が極めて強靭なチャイロスズメバチの巣を
襲撃した場合には逆に、大顎や毒針による攻撃が必ずしも十分有効に機能せず、
撃退されることを余儀なくされることもある。

 

 

キイロスズメバチ Vespa simillima xanthoptera

 

体全体が黄褐色の長毛で覆われて毛深い感じに見える。
攻撃性が非常に高く、巣の近くを通っただけで攻撃されることもある。
特に一旦刺激を受けた巣では攻撃性が増して危険である。
スズメバチ類の刺傷例では本種によるものが最も多く、この意味では最も危険なスズメバチといえる。

 

地中や樹洞に大型の巣を作るが、都会に最もよく適応し、家屋などにも営巣する。
日本産スズメバチ中では最大規模の巣をつくり、直径は3080cmで時に100cm、育房数6,0008,000で、時に1万以上。働き蜂・オス蜂とも数百頭から千頭以上、新女王は200800頭。
活動期間は5月〜11月、個体数は910月に最大となり、刺傷例も秋に最も多い。

 

食性は幅広く、幼虫の餌として各種の昆虫・クモ類を狩るほか、
カエル、ヘビの死体までほとんど何でも食べる。クヌギやコナラなどの樹液、
ブドウやカキなどの熟果、ジュースの飲み残しなどにも来る。
またミツバチ類、アシナガバチ類、クロスズメバチ類などの巣口付近でそれらの働き蜂も狩るが、
狩りは常に単独で行われ、オオスズメバチのように集団で襲うことはない。

 

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%82%BA%E3%83%A1%E3%83%90%E3%83%81

 

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