農家の庭や畑にある大きな柿の木に、たわわに小粒な柿が実るのを目にされたことがあるでしょうか?小粒で色も鮮やかな柿がびっしりと実をつけていることでしょう。
のどかな黒川の秋の田園風景のひとつです。
農家の庭や畑にある大きな柿の木に、たわわに小粒な柿が実るのを目にされたことがあるでしょうか?小粒で色も鮮やかな柿がびっしりと実をつけていることでしょう。
のどかな黒川の秋の田園風景のひとつです。
この柿が日本で最初の甘柿(不完全甘柿)と位置づけられている有名な禅寺丸柿(ぜんじまるがき)です。
禅寺丸柿は、建保二年(西暦1214年)(今からおよそ800年前)に、現在の
柿の評判はたちまちに村中に浸透し、100年も過ぎたころには近隣が柿の一大産地となりました。黒川も例外ではなく、多くの禅寺丸柿の木が育てられました。今でも王禅寺のお寺の境内には原木のひこばえが育っており、樹齢は450年と言われています。
新編武蔵風土記稿(文化7年―1810年―武蔵國風土記の資料稿)の王禅寺の項には、「ここにても柿の木をあまたうえてその実尤美なり、江戸にて禅寺丸と称するものは此所の産なり、もと王禅寺丸と唱ふべきを上略して禅寺丸と称すと云」 と記述されています。
当時の黒川は、51軒、栗木は30軒であったとの記述があります。
明治42年10月27日には、天皇陛下に禅寺丸柿を献上するという光栄がありました。
北原白秋は、昭和10年ごろからたびたび王禅寺を訪れ、「柿生ふる柿生の里 名のみかは 禅寺丸柿」という歌を残しています。
この由緒ある禅寺丸柿も、最近は甘くて美味しいお菓子がたくさんありしかも簡単に手に入る時代ですので、子供たちには人気がありません。
生産農家としても、柿の木の枝折、数回の消毒、出荷のための束ね作業などがあり比較的手間が掛かる割には、出荷額が安いため殆ど市場には出廻っていません。
そのためせっかく実った禅寺丸柿が見向きもされなくなり、木になったままカラスの餌になりそのうち落下する運命にあります。
禅寺丸の実った木を見つけたら、その近くにいる農家の人に腰を低くして優しく「こんにちは!その柿は何という柿ですか?甘いですか?」などと一声を掛ければ、「好きなだけ持っていけ!」とただで分けてくれるかもしれません。その味はとても甘く、黒砂糖の甘さです。
文献:柿生禅寺丸柿記念誌 郷柿誉悠久 柿生に生れた川崎の禅寺丸柿
「麻生禅寺丸愛好者の会」実行委員会のホームページ
http://www.geocities.jp/zenjimaru2004
(参考:禅寺丸ワイン)
(参考:王禅寺 禅寺丸柿のふるさと)
やまざる
川崎市黒川(当時の住所表示)の農家に生れる。
来世も菩提寺である黒川の西光寺で、永遠の眠りにつく。
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